一人咲く彼岸花と賢者の石【HP】 (ページ29)

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29-可愛い一年生ページ29

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「…の日、あいつ三つの頭がある犬に近づいて噛まれたんだよ。あの犬が守ってるものをスネイプが取ろうとしたんだよ。」

Aがハリーにお祝いの言葉を言いに近付こうとするとそんな声が聞こえてきた。

Aは咄嗟に身を隠す。

「なんでフラッフィーを知ってるんだ？」

ハグリッドが言う。

フラッフィー…？

「あの犬に名前があるの？」

ごもっともよ、くせ毛ちゃん。

「勿論、俺の犬だ。去年パブで会ったギリシャ人のやつから買ったんだ。そんで俺がダンブルドアに貸した。大事なもんを守るために。」

「それってなんなの？」

ハリーはハグリッドを見上げて尋ねる。

『ポッター、聞かない方がいいこともあると思うけど？』

流石にこれ以上ハグリッドがハリーに話したら危険と隣り合わせどころではなくなる、Aはそう判断し、四人の前に現れる。

生徒三人はスリザリンの上級生が来たと分かって二寮特有の亀裂を走らせるが、それをハグリッドが宥めるように口を開く。

「おお、Aじゃねぇか！ハリー、Aの言う通りだ。Aはな五年生なのにホグワーツで一番優秀な魔女なんだぞ？」

『ハグリッド、それは言いすぎ。』

「でも、監督生のバッヂがないわ。」

くせ毛の女の子が言う。

『あなた、よく見てる。』

「…ハーマイオニー、ハーマイオニー･グレンジャー。」

女の子…ハーマイオニーはふんふんと鼻を鳴らして言う。

『ハーマイオニー、確かに、優秀な五年生は監督生バッヂを着けてる。でも、それだけで全てが決まることは無い。覚えておいて。』

頬を赤らめるハーマイオニーにAは優しく言う。

「あの、A…さん？」