一人咲く彼岸花と賢者の石【HP】 (ページ24)

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「…賢者の石だ。」

『賢者の石？あの、不老不死になれる？……でも、でも賢者の石は確か今はニコラス･フラメルが所有してるはずでしょう？』

Aは困惑したように話す。

「ああ、彼がダンブルドアに託した。彼は優れた錬金術師だが、もし仮に闇の帝王に襲われれば抗える歳ではない。」

『なるほどね。でもそれを盗もうとしてる人がすぐ側にいる。』

「何故そこまで知っている。」

『魔力を感じ取ったから。』

Aは当たり前のように言う。

「感じ取った？」

『そう、クィリナスからお父様のような魔力を感じ取った。』

Aは静かに言う。

「待て、お前の父親(闇の帝王)の魔力だと？」

『そう。』

Aが平気な顔して言うとスネイプは焦ったように頭を支える。

『…そこまでは気付いてなかったのか。クィリナスには、彼の中にはクィリナスとヴォルデモートが居るってこと。だからあなたがもしヴォルデモートが復活した時に二重スパイを続けるならあまり彼を攻撃しない方がいいかも。』

Aはスネイプに注意するとまた続けた。

『でも、彼の本心は違うみたいだった。彼、悲しい目をしていた…』

スネイプはそう言って目を伏せるAの手をそっと握った。

これもまた、自分でもなぜだかわからなかった。

『っ…！』

「優しいのだな。」

『お父様の優しさを沢山貰って育ったの。』

Aはそう言って微笑んだ。

『私の腰の印はね、あなたも知っての通り、闇の印。…赤子の腕に入れるのは少し難しかったみたい。』

「…」

『そんな顔しないで？私の腰(ココ)が熱くなったことは一度もないし、何も気にしていない。』

「…そうか。」

そう呟いたスネイプの目は安堵したような、少し悲しそうな、そんな目をしていた。

Aはそんなスネイプの頬を空いている手で包む。

スネイプは顔を上げると、二人の目線は静かに絡み合った。