一人咲く彼岸花と賢者の石【HP】 (ページ22)

今日:9 hit、昨日:44 hit、合計:173,446 hit

21-彼岸花の秘密ページ22

.

『……っ、ん、…』

Aはこれでもかと言うほど真っ黒な天井に、シワひとつないシーツ、掛け布団の元で目を覚ました。

「目が覚めたか。」

『…ここは？』

Aは体を起こそうとするが、｢痛っ、｣背中の傷が痛く、起き上がれなかった。

「馬鹿者。丸二日も眠っていた上に酷い傷を負ったんだぞ。」

『あぁ…』

Aは鮮明に記憶を思い出す。

「ここは我輩の部屋だ。……一つ、お前に質問がある。」

『その前に私からも質問が。ケルベロスが守っている物は何？』

Aはスネイプがケルベロスでは無く、見ていた“何か”を思い出す。

そこにはそう、仕掛け扉があった。

「我輩の質問はこうだ。お前の腰の印は何だ。」

スネイプはAの質問に少し目を泳がせたが負けじと質問する。

『見たのね。』

「治療中に“見えて”しまったのだ。」

『その質問には五秒で答えられる。私の質問に答えて。』

Aは高圧的に言う。

するとスネイプははぁと溜息をつき、読んでいた本を置いてベッドの側の丸椅子に腰掛けた。

「検討は？」

『五割ついてる。』

「ほぉ。その推論をお聞かせ願おうか。」

｢よいしょ、｣とAが身体を起こそうとするとスネイプがまた深い溜息をついて手伝った。

『ありがとう。…まず守ってる物のことだけど、何か、は分からないけどどんなものか、は分かる。グリンゴッツに今年の夏、侵入者が居たそうね。でも、その時既に盗みに入った金庫は空だった。マイクがグリンゴッツはホグワーツの次に安全だって言っていたわ。つまり、ホグワーツの誰かが金庫の中の物を取り出してホグワーツに隠した。』

Aは干ばつを入れずに話していく。