一人咲く彼岸花と賢者の石【HP】 (ページ20)

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その後、Aはスネイプがこれでもかという不振な顔をして大広間を出ていくのを見た。

「スリザリン！さっさと着いてこい！お前らの頭がもげても俺は責任とらないぞ！」

「マイク！…スリザリン生、早くついてきなさい！」

監督生の二人がスリザリン生に声掛けをした。

『ドナ、マイク、先に寮に戻ってて。私、用事が出来たの。』

「こんな時にか？」

「野生のトロールほど面倒な生き物はいないのわかってる！？」

『分かってるから、早くスリザリン生を談話室へ。』

Aはそれだけ言うと自分に目くらまし術を掛けて走ってスネイプを追いかけた。

嘘でしょう？
どうして？

スネイプは迷わず四階の廊下に入っていった。

Aも足音を立てないように後を追う。

「アロホモラ(開け) 」

スネイプが呪文で鍵を開け、突き当たりの部屋に入ろうとすると、Aはその扉が閉まる前に滑り込んだ。

え……

そりゃダンブルドアも近づくなと言うはずだ。

そこには頭が三つもある犬、ケルベロスが居た。

これは不味い。

Aがそう思うと案の定、ケルベロスは見えているスネイプに襲いかかろうとした。

Aはそれなのに“何か”に気を取られているスネイプに後先考えず覆いかぶさった。