一人咲く彼岸花と賢者の石【HP】 (ページ14)

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「ウッド、これは何のつもりだ？」

スリザリン生が一斉にオリバーの方を向く。
皆、グリフィンドール生が注意されるのが大好きなのだ。

「…安らぎの、水薬…です。」

「教えてくれ、ウッド。字が読めるのか？」

マーカスが笑う。

「読めます。」

「アンダーソン、調合法の三行目を読んでくれたまえ。」

急に指名されたアンダーソンはギクリとしながら目を凝らして色とりどりの湯気をかき分け、読み上げる。

「月長石の粉を加え、右に撹拌し…」

アンダーソンはそこまで読んでがっくりとした。

右に撹拌するのを忘れていたのだ。

「続けろ。」

「七分間ぐつぐつ煮る。その後、バイアン草のエキスを二滴加える。」

オリバーもアンダーソン同様にがっくりとした。

オリバーはバイアンエキスを加えずに四行目に移ってしまっていたのだ。

「三行目を全てやったのか、ウッド？」

「…いいえ。」

オリバーは小声で言う。

「答えは？」

スネイプがいやらしく再び尋ねる。

「いいえ！」

「そうだろう、ウッド！つまり貴様らのこのごった煮は全く役に立たぬということだ。エバネスコ！」

ウッドの大鍋から液体がきれいさっぱり消え去った。

「…おい、おいドナ…！」

マイクが聞こえないようにドナを呼ぶ。

「何よ…！」

「こんなもん上手くいくのか？」

そんなマイクの大鍋からは柄に合わないピンクの煙が立ち上っていた。

「知らないわよ！でも見てご覧なさいよ、Aの大鍋。」

そういうドナは黄色の煙が立ち上っていたが二人揃ってAの大鍋を見ると何も言わず、首を振った。

「課題を終えた者は名前をはっきり書いて提出しろ。宿題、羊皮紙三十センチに月長石の特性と魔法薬調合に関するその用途を述べよ。木曜に提出だ。」

教室内に溜息が漏れた。