おのれ狸：伍拾肆 ページ9
「…連絡役を一人に押し付けてしまったことは謝ります。」
上座に座らされ、こめかみを押さえた芥子は悩ましげに言う。
「ですが、インカムの一つや二つ！言ってくだされば、どなたにも後から差し上げるのですから、些細なことで喧嘩しない！いいで〜すね？？」
「はーい…」
「ごめんなさい…」
「何で俺らまで…」
粟田口兄弟と燭台切は肩を落として謝った。
しかし、子供の姿の短刀や脇差らは分かるが、大の大人の男達全員がその場に正座させられ、童女に叱られている姿はなんだか滑稽であった。
関係ない者は巻き込まれて面倒くさそうに遠くを見ている。
「…さて、これでこの本丸の刀剣は全員ですね？」
「ええ、全刀剣男士60振中40振全て。此処に出揃っておいでです。」
いつの間にかそばに来ていたこんのすけの言葉に、芥子は丸い目を瞬かせ、ぐるりと刀剣達を見渡す。そして、すっとその形を正した。
すると、雰囲気は一瞬で変わり、広間にまた重い緊張感のようなものがのしかかった。芥子はその重い口を開く。
「…では、これから本契約の説明に移らせていただきます〜。知らない方もいると思いますので、今一度。今回この城の審神者と相成りました、仮名をAと申します。」
「初期刀の陸奥守吉行じゃ、宜しく頼むぜよ。」
二人は同時に深く頭を下げた。
「長くなると、次の夕飯に差し支えるので手短に申します。」
芥子は顔を上げた。
「私の、刀になってください。」
ざわりと、大広間が揺れた。だが、芥子は動じない。そのまま流暢に、堅実に、言葉を吐き出す。
「私は再三言っているとおり、獄卒を兼業しておりまして、出陣や日課の遂行も一日おきになると考えられます。また、実を言いますと人の形を取って日が浅く、審神者としてはかなり不出来です。」
「ですが、この歴史を守りたいという気持ちに変わりはありません。負け戦にする気もありません。」
「私を主と呼ばなくても構いません。刀解も然るべき理由があるならば受け入れましょう。ですが、出来ることならば私と共に戦ってほしい。」
「どうか、私の刀になってください。」
強い視線が、刀剣男士達に大きなエネルギーとなって降り掛かった。
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蒼(プロフ) - 某僕と契約して魔法少女になってよ！！な清光がいて爆笑しました。表紙も大好きです。好きです。 (11月13日 19時) (
レス) id: 2e07dff5be (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 表紙から爆笑でした。ありがとうございました。 (2021年1月29日 18時) (レス) id: 348703d198 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです……!!テンポが良くてとっても読みやすかったです(*´▽｀*)続きが気になります(*ﾉωﾉ)気が向いたらで良いので、更新してくださると嬉しいです(о´∀`о)どうかお体に気を付けてお過ごしください。コメント失礼しましたm(_ _)m (2021年1月29日 17時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 面白いのにもったいない (2019年11月26日 18時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです！完結おめでとうございます！ (2018年11月15日 13時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ムカデ | 作成日時：2016年12月11日 23時
