おのれ狸：陸拾 ページ15
「そっちがその気なら良いで〜すよ？別にやる気のない人雇ったって何にもなりませんし〜？？」
芥子は立ち上がり、三日月宗近を床の間に持って上がった。一体何をするのかと皆が唾を飲み込む。
彼女はおもむろに、床の間に飾ってあった壺に近付いてそれを見下ろした。そして驚きの行動に出た。
「じゃあ、そこで飾り物にでもなってなさい」
そう言って、なんとその中に三日月宗近を「ソイヤッ」と投げ入れたのだ。
「え、ちょ…、キャーーーーーーーーーーーーーーー！！？」
最初に発狂したのは、今日ずっとSAN値が低迷しっぱなしのこんのすけだった。
彼は不定の狂気に陥ったまま、光の速さで壺に駆け寄ると、その中から急いで刀身を取り出してまた叫び声をあげながら退避した。
「ちょっと、何するんですか」
「それはこっちのセリフですぅ！！肝が冷えましたよ！！」
涙目でキャンキャンと吠えるこんのすけは、なおも三日月に手を伸ばす審神者の魔の手から逃げ惑う。
「だってこの付喪神、完全に会話する機会を否定しているんでしょう？？彼は人間になることを拒否したんです。だったら、そっとしてあげるのが一番じゃありませんか〜。」
「壷に突っ込んどいてよく言いますね！？祟られたらどうするんです！」
「煩いですね〜。働きもしない二ー
「国宝！この刀国宝！！」
真顔でゆったりジリジリ、芥子が距離を詰めていく。一方、蚊帳の外になった刀剣達は、明日は我が身と背中に冷や汗を垂らした。
そして、しばらく悩んだ末に、見て見ぬふりをするのが得策だと、彼らは黙々と料理と酒を口に運んだ。
やっぱりうまい、と遠い目をして。
すると、思いがけない出来事が起こった。
「…ほう。なかなか言うではないか、童。」
それは、聞くものを萎縮させる威厳に満ちた、しかし、やわらかで耳心地の良い、聞き覚えのある声。
こんのすけは、まさかと辺りを見渡すが、脳裏に浮かんだ美貌のその神はそこにはいない。
その声は、こんのすけが背後に隠したものから聞こえてきた。
「ははははは。だが、俺は''にーとう''とやらになるつもりは無いぞ？また飾られるだけは御免被る。」
だが、その声を発したのは刀剣男士ではない。刀身、そのものであった。
「ｷｪｪｪｱｧｧｼｬﾍﾞｯﾀｧｧｧｧｧｧｧｧ!!!」
そうして、こんのすけは気絶した。
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蒼(プロフ) - 某僕と契約して魔法少女になってよ！！な清光がいて爆笑しました。表紙も大好きです。好きです。 (11月13日 19時) (
レス) id: 2e07dff5be (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 表紙から爆笑でした。ありがとうございました。 (2021年1月29日 18時) (レス) id: 348703d198 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです……!!テンポが良くてとっても読みやすかったです(*´▽｀*)続きが気になります(*ﾉωﾉ)気が向いたらで良いので、更新してくださると嬉しいです(о´∀`о)どうかお体に気を付けてお過ごしください。コメント失礼しましたm(_ _)m (2021年1月29日 17時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 面白いのにもったいない (2019年11月26日 18時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです！完結おめでとうございます！ (2018年11月15日 13時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ムカデ | 作成日時：2016年12月11日 23時
