契りを交わせば、 ページ19
一期一振ｓｉｄｅ
疲れと汚い欲でぼろぼろになった身を休めるために
鶴丸殿と燭台切殿とともに浴場へ足を進めたら、
湯船には彼岸花のような危ない美しさをまとわせた
可憐な女性がいた。
・・・・・・・でも、結局人間は己の欲を第一に考えた
醜い存在なのだから、そんなものは関係ない。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
・・・・・そう思っていたのに。
鶴丸殿は屈託のない笑顔を彼女に向けていた。
その人は、いとも簡単に鶴丸殿を自分のものにしていた。
真名を教え、よそよそしい敬語を外し、自分の裸体さえみせてしまった。
この時、私はどこかで羨ましい、と思ってしまった。
こんなにも安心できる存在がいることを。
『それに私、いずれこの本丸の主になるわけですし。』
その言葉は、私の心をさらっていくのには十分だった。
そして、A殿は麻薬のような言葉を連ねた。
「私、鶴丸とは契りを交わさせていただいたので、
彼は私のものとなったのですが・・・・・
一期さんと燭台切さんはどうなさいますか？」
怪しい笑みはどこまでも深く、妖艶だった。
答えはすぐに、いや、もうすでに出ている。
それは眼帯の彼も同じだったようだ。
察しがついたのか、彼女は笑んだ。
「そう・・・・・でも、まずは私に忠誠を誓ってちょうだい。
口先でなく、ね？」
まとう雰囲気が一変したA殿の誘いに唾を飲む。
その甘さに浮かされた私は、少し高いところに座った
そして彼女の足先を少し持ち上げ、つま先に口付けた。
さもすれば、満足そうに笑み、つま先で私の鎖骨をなぞり、
彼女と同じ高さへ誘導した。
「あなたは、私のものよ。
今までしてきたこと、されたこと・・・・・・・・
ぜーんぶ、私に委ねて・・・・」
ちくり、と甘やかな痛みとともに彼岸花が咲いてゆく。
嗚呼、心が、体が、浄化されて、心地よい。
抱きしめる彼女の肌は、まだ湿り気を帯びていた＿＿＿＿＿＿＿＿。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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千影(プロフ) - 好きです。もっともっと見たいです。この小説 (2020年8月26日 13時) (
レス) id: 5f26a6ba4f (このIDを非表示/違反報告)
朔間あんじゅ(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！そうですよね笑誤字ごめんなさい！ (2018年3月15日 13時) (レス) id: 524008a0eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな - あの、間違えだったらごめんなさい！もしかして、はじめの方の話で担当に暴力を振るってるんじゃなくて短刀にじゃないですか？ (2018年1月4日 2時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
朔間あんじゅ(プロフ) - 黒コマ先生さん» ありがとうございます！コメントくださると本当に励みになります！がんばります！ (2017年12月23日 20時) (レス) id: 524008a0eb (このIDを非表示/違反報告)
朔間あんじゅ(プロフ) - 子ねこさん» ありがとうございます♪ (2017年12月23日 19時) (レス) id: 524008a0eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔間あんじゅ | 作成日時：2016年11月10日 17時
