兄への思いと愛への執着 ページ14
ｓｉｄｅ ｙｏｕ
鶴丸は短刀と一緒に桜の幹まで競争して走って行った。
私がぼぅっとその様子を見ていると、となりに
腰かける音が聞こえた。
そちらに目をやると、そこには短刀と思われる、眼鏡をかけた方がいた。
「えっと・・・・。あなた様は？」
？「ああ、すまん、おれっちは薬研藤四郎だ。
さっきは弟たちが世話になったな。」
容姿以上に大人っぽい彼は薬研さんというらしい。
「いえいえ・・・こちらこそ、とっても楽しませていただきました。」
笑みを彼に向けると、彼は少しの沈黙をもたらした。
そして、少し曇った表情のまま話しかけた。
薬研「・・・・・・・おれっちたちにはな、兄貴がいるんだ。」
「どういったお方なんですか・・・？」
薬研「すっげぇかっこよくて、優しくて、しっかりしてて・・・・
おれっちたちのあこがれの存在なんだ・・・。」
「その方はとっても素敵な人なんですね。」
薬研「ああ。・・・・・・・・でも、いち兄は・・・・・・・
大将に、連れて行かれちまった。
何回も弟たちを折らされて、しまいには夜伽・・・・・・。
いち兄が連れて行かれてから、誰も笑えなくなってたんだ。
でも、あんたのおかげで、いまじゃぁ、あーんなに笑っている。
屈託のない笑顔で。・・・・・・・ほんとうにありがとうな。」
そういうと、空のグラスにワインをお酌してくれた。
芳醇な香りに包まれた後、私は、彼に話しかけた。
「・・・・・薬研さん、今までとても大変だったでしょう・・・・・？
あなたはもう、苦しむ必要はないのですよ。私が、愛してあげます。
・・・・・・・さぁ、無理しないで、こちらに来て？」
ずっと我慢していた、藤色の瞳から、水晶が一つ、二つと零れ落ちた。
そして、私の腕の中に飛び込む。
薬研「・・・・うっ、ううっ・・・・！」
声を押し殺して静かに泣く彼の姿は、さっきよりも、小さく見えた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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千影(プロフ) - 好きです。もっともっと見たいです。この小説 (2020年8月26日 13時) (
レス) id: 5f26a6ba4f (このIDを非表示/違反報告)
朔間あんじゅ(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！そうですよね笑誤字ごめんなさい！ (2018年3月15日 13時) (レス) id: 524008a0eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな - あの、間違えだったらごめんなさい！もしかして、はじめの方の話で担当に暴力を振るってるんじゃなくて短刀にじゃないですか？ (2018年1月4日 2時) (レス) id: 7ffc6db072 (このIDを非表示/違反報告)
朔間あんじゅ(プロフ) - 黒コマ先生さん» ありがとうございます！コメントくださると本当に励みになります！がんばります！ (2017年12月23日 20時) (レス) id: 524008a0eb (このIDを非表示/違反報告)
朔間あんじゅ(プロフ) - 子ねこさん» ありがとうございます♪ (2017年12月23日 19時) (レス) id: 524008a0eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔間あんじゅ | 作成日時：2016年11月10日 17時
