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何か企んでいると思っていた2人だけど、詳しい状況を知っているわけではなかった

ただ、俺がまた何かやり出したという噂を聞いて覗いただけらしい

会話のネタとして出したのも、ちょっと揶揄うつもりだったという

適当にはぐらかされると思っていたから、困っている俺を見て逆に驚いたと言っていた


その後会った他のライバーにも、似たようなことを聞かれた

中には撮影機材の不調を疑う人もいたけど、誰もが叶さんたちと同じ印象を持っていた

そんな中、俺の前提を覆す一言があった



「アーカイブっていうか…放送中もそうだよ?」



なんてことない一言だった

だけど、そうなると話が変わってくる


少なくとも、彼女がいなくなるまで録画は正常な状態だと思っていた

いや、実際に正常だったはずだ

ノイズではなく彼女の声が配信に乗り、彼女の立ち絵があった

しかし、どうやら違ったらしい


ライブ中からノイズがあり、俺以外の立ち絵なんかなく

まるで相手がいるように、俺は1人で話していた


ライバーだけでなく、リスナーも同じように言っていたから嘘ではないのだろう

また…俺だけが知らない…


 


予想外の事実に息を吐き、背もたれに身を任せる

帰ってきてから大分長い時間配信をしていたようで、カーテンの隙間から見える外はもう暗かった

外出もして疲れているのか、普段より思考がまとまらない

いっそ寝てしまえばいいのだろうけど…

無為に時間を過ごせば、その分彼女が消えていく気がした

柄にもなく執着しているのは、きっと彼女との時間に居心地の良さを感じていたからだろうか


ぼんやりとそんなことを思いながら、緩慢な動きでキーボードへ手を伸ばす

彼女の名前を検索してみたが、結果に表示されるページは類似ワードばかり

その中から目的のページを探し出すも、-Not Found-(見つからない)

通話に使っていたアカウントも綺麗に消えている


夢でも見ていたのだろうか

過去には天井を見たまま3日過ぎていたこともある

もしかしたら今回も…



『そんなわけない…か…』



配信の記録がちゃんとあるし、話をしていた記憶も鮮明にある

彼女は確かに存在した

存在したからこその -Not Found- だ

問題はない

俺らは同じ世…




[Overwrite]



Final Stage

自己消滅プログラムを開始します。



…貴方縺出会えて濶ッ縺九▲縺

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作者名:エバ。 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年3月31日 20時

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