蛙の子は蛙 ページ31
「ギドだっけ…あいつ、どんな戦い方してくるんだ？」
「知らない。去年はあいつが技を出す前に終わらせちゃったから。」
「でも多分去年やった時より、ほんのちょっと強くなってると思う。」
試合開始の合図が鳴る。それと同時にギドがズラリと並べたのは何の変哲もない独楽であった。
「行くぞ！
幾多もの独楽は回り続けては互いにぶつかり、弾かれ飛んだ独楽はゴンにヒットする。
ゴンに休む暇を与えずに独楽は次々当たり続ける。
「…ゴンは目が良い。一つのものを追い続けるだとか、相手の隙を伺うとか、そういうのにはもってこいだ。」
少女は足を組み、肘をついて冷静に話す。
「ただ、戦闘の中じゃそうはいかない。」
「じっくり相手を見る時間なんて与えてくれないし、目でちんたら追ってたら逆に相手に隙を与える。」
そして遂に場外にはじき出されたゴン。カウントギリギリでリングに戻り、独楽を気にせずギドに向かっていった。
「おそらくギドは放出系寄りの強化系。独楽自体に精密な操作はしていない。」
「ホウシュツケイ、ってなんだよ」
「多分近いうちに分かるよ。私が中途半端に教えるよりウイングさんに教わった方が絶対良いから、言わない。」
「ケチ」
「ケチじゃない」
二人は睨み合ったが、いつも仲裁してくれる彼はリングの上である事に気づきおほんと咳払いする。
「まあつまり、何が言いたいかというと」
ゴンの拳がギドに向かう。その時、ギドはリング上の独楽と同じように激しく回り始めた
「ほらね！やっぱり隠してた。
ゴンはギドに強く撥ねられ、またしてもポイントを持っていかれる。
「これで9-0だ。あとが無くなっちゃったね」
「ダチが言う事か？ソレ」
「念の先輩として言ったまでだよ」
意地の悪い少女に感じる、師の面影。危機的状況のゴンを見て心底楽しんでやがるな、コイツ。
天空闘技場に来てから…いや、俺達が念を覚えてからコイツはずっと偉そうに威張ってて、そして楽しそうだ。
(俺達の土俵入りがそんなに嬉しいかよ)
そう。俺達はスタートラインに立ったに過ぎない。隣でほくそ笑むコイツと対等になるには、もっと実戦を積まなきゃならない。
「ハーー、しんど」
「え？何が？」
「お前、ヒソカみたいでしんどい」
「なぁ”！？それ悪口！！！」
噛み付く少女の相手をせず、キルアは天を仰いだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 892人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かぴばら2(プロフ) - mzさん» ワー！！！コメントありがとうございます！シリアスな時はとことん暗く、その分ほのぼの回ではゆるっゆるに書かせて貰ってます！！！長い事書いてるのにまだゴン達の夏休みは来てません…！！更新がんばります！ (2021年7月22日 21時) (
レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
mz(プロフ) - 1作目から途中までですが、一気に見させていただきました！シリアスな場面の緊張感や主人公達のほのぼのとしたやりとりのギャップが凄すぎて、圧巻でした…。ゆっくりと、むふふとしながら楽しませて頂きます…！！ (2021年7月22日 2時) (レス) id: 77bee458f3 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - 有希さん» この作品に触発されて…！！？ヤバいっすね…ニヤニヤするぐらい嬉しいです。ぶっちゃけハンタ作品は鬼を滅する！！とか呪いと戦う！！とかより全然供給少ないので、こうして触発されて書いてくれる方が居るのがすごく嬉しいです！コメントありがとうございます！ (2021年2月20日 14時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら2(プロフ) - 有希さん» 戦闘描写ってめっっっっちゃ難しいですよね！！？夢主ちゃんには超近距離でボコボコにしてボコボコにされて欲しいです…(歪んだ愛)鼻血が似合う主人公を目指してます。師弟対決私も早く見たいです() (2021年2月20日 13時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
有希(プロフ) - 連続コメ失礼します！戦闘描写が大好きです。戦闘シーンまで読み込んだ作品は初めて。夢主ちゃんの超近距離な戦い方が性癖に刺さって抜けません。超絶私事ですが、かぴばらさんの作品に触発されてハンタ作品を書き始めました。師弟対決をお待ちしてます(ｺｿｯ (2021年2月19日 18時) (レス) id: e15740c466 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かぴばら | 作成日時：2020年12月6日 10時
