【暗殺教室】毒舌少女は3-Eに行くことになりました part.２

７６時間目 ページ37

ギイィ、と扉が開く音がした。


…もうダメ。


でも、ドスッと殴ったような音と一緒に身体が軽くなった。


「…あ、れ」


目を開けると先程の不良の姿はなく、


綺麗な赤色が視界いっぱいに広がる。


赤「ごめん、遅くなった。


…大丈夫、じゃないよね」



優しく抱き締められて、


我慢していた涙がポロポロと溢れてきた。



「カルマ君ッ…」


赤「また、無茶させちゃってごめん」


私は、首を横に振った。


「来てくれて、ありがとッ…」


赤「ちょっと待っててねAちゃん。


今、あいつら全員片付けてくるから」


その時、殺せんせーが駆けつけて一瞬で不良を倒す。


渚「殺せんせー！」



「先公だと…ふざけんな！」




殺「…ふざけるな？


それは先生のセリフです」



殺せんせーの皮膚は真っ黒。


殺せんせーはド怒りだ。



殺「学校や肩書など関係ない。



清流に棲もうがドブ川に棲もうが、


前に泳げば魚は美しく育つのです」




神「…！」


殺せんせーは、凄いな。



たった一言で有希子を救ってしまうんだから。


￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣

殺「何かありましたか、神崎さん？


迷いが吹っ切れた顔をしています」



神「…特に何も、殺せんせー。


ありがとうございました」



有希子はもう大丈夫。

こんなに迷いのない顔で笑ってるから。





でも、私は？



家族から逃げて、


今日もまたカルマ君や皆に助けてもらって…





果たして、前に進めているのだろうか？




赤「Aちゃん、大丈夫？


体調悪いなら先に宿に戻ってる？」


「今は大丈夫だよ」


赤「そっか、気分悪くなったらいつでも言ってね？」


「うん、ありがとう」


カルマ君がいつもより優しい。


気遣ってくれているんだ…




嬉しいな。




そういえば、あの時カルマ君が一番に浮かんだのはどうしてだろう？




同じ班には渚君もいたのに…




カルマ君が喧嘩に強いから、かな？



たぶん、そうだよね。

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