scene276 ページ26
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私が向こうの世界で、サッカー部に選手として所属していたことは知ってるよね？
私、こう見えてもそこそこ強い選手だったんだよ。パワーはないけど、テクニックを磨いて、チームに貢献できるようにがんばってた。
毎日、毎日、日が暮れても練習していた。部活が終わった後も、円堂、風丸と一緒に、鉄塔広場でずっとボールを蹴っていた。
私たちは昔から付き合いがあったし、教室でもいつも一緒にいた。
そうだね……親友だったの。
でもね、本当の親友になれる訳じゃなかったから。
たぶん、円堂も風丸も、本当に親友だと思ってくれていたんだ。これは、私が……私だけがそうじゃないと思い込んでしまっていただけなんだけど。
円堂と風丸の間には、絶対入り込めないんだよ。あの二人には、親友とか、そういうのじゃない、それ以上の絆みたいなものがあった。
円堂がいくら私のことを親友だと思っているって言ってくれても、私はそうじゃなかった。
私は、円堂や風丸と、本当の親友になりたかった。
でも……私は女だから。
二人みたいには、本当の意味ではなれないって、気付いちゃったんだ。
男の子になりたかったのかって言うと、それはまた違うんだけど……まあ、全てを理解できなくてもいいよ。
私は二人が羨ましかった。私が円堂や風丸の一番になる方法って……たぶん、これしかなかったんだ。
それに気付いたっていうか……これも私が勝手に思い込んでただけなんだけど。でも、それって間違いでもないと思う。
私が女で、相手が男だったとして、その人の一番になる方法って、たぶん……そういうことでしょ？
こっちの世界の私と会ったのは、ちょうどそのとき。私が持っていたエイリア石に、こっちの私の強い思いが反応したんだ。
もし、自分がもっと生きられる世界があったら……みんなが世界一になる瞬間を見届けたいって。
エイリア石に関しては……本当にいろいろあったんだ。それも全部、ヒロトのせいだよ。ヒロトが死んだことが全ての元凶なの。
でも、そのおかげっていうのは変だけど、たくさんの人に出会えた。この悲劇が、誰かが前を向くきっかけにもなったの。
だから、その悲劇がないこの世界は……ある意味で、別の悲劇とも言えるね。
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ペナ紅 - やっぱ電話の相手、半田だったんだ…！ (2021年7月5日 16時) (
レス) id: 173b2b90f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめのわたし(プロフ) - 完結おめでとうございます。高い文章力ですごく引き込まれました。私事ではありますがわたしは基山ヒロトが好きで吉良ヒロトがどうしても好きになれずこの小説を取っ掛りとして読ませていただきました。あなたの作品で彼のことを好きになれました。 (2020年12月8日 18時) (レス) id: 0a912f5e29 (このIDを非表示/違反報告)
りと - 完結おめでとうございます！丁寧かつ読みやすく想像しやすい文章でサクサク楽しく拝見できました！個人的には甘くない終わりにくそぅ！と思いつつでも現実だったらそうだよなぁとしみじみ受け止めました。笑 また是非に文字を書き続けてください！応援しております！ (2020年11月22日 15時) (レス) id: 4c41bf9741 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - とっても楽しく読めました！大好きな作品です！完結おめでとうございました！ (2020年3月17日 10時) (レス) id: 40379c818e (このIDを非表示/違反報告)
鬼跡 - 完結おめでとうございます⊂((・x・))⊃この作品本当に大好きでした！！！！大好きです！ヾ(＠⌒ー⌒＠)ノ (2019年12月18日 18時) (レス) id: 8e87660fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年8月22日 20時
