scene220 ページ20
「連絡が取れないから心配して、来ちゃった」
Aは少し後ずさる。来ちゃった、じゃねえよ。急に出てきたら普通に怖えっての。
Aに視線をやると、頭の中でいろいろな思いが巡る。画面越しには毎日見ていたけど、こうして面と向かってAを見るのは、すごく久しぶりだ。
少し痩せただろうか。多忙なせいか、黒い服を着ているからかもしれないけど、肩の辺りの頼りなさが増している気がする。
ぽかんと口を開けたAと視線が合う。
「……よお」
手を挙げて、なんとか自然に振る舞おうとする。
……なんか、前にもこんなことがあった気がするな。
Aは次に吹雪さんを見た。
吹雪さんは「久しぶりだね、元気にしてた？」と、いつもの王子様みたいな微笑み。
ていうかよく考えなくても、この状況はおかしい。Aからしたら、マジでなんでいるんだって感じだろ。さすがに恐怖を感じているんじゃないか。下手したら通報されるかも。
おれの心配を他所に、野坂は平然として言った。
「復帰してから、一気に忙しくなったみたいだけど、体の方は大丈夫？」
「え、あ……う、うん」
「そっか、よかった」
Aはまだ混乱しているようで、野坂の顔をまじまじと見つめる。
「えっと……上がっていく……？」
「いや、それはまずいだろ」
どんだけパニクってんだ。男三人も部屋に上げるとか。いろいろ自覚した方がいいと思うぞ。アイドル云々以前の問題だろ。
「今日は様子を見に来ただけだから、また今度お邪魔するよ」「お邪魔するなよ」「やだな、別になにもしないよ」
野坂は張り付けた様な笑顔を向ける。どうだか。油断も隙もねえな。
野坂と二人、睨み合っていると、吹雪さんがAの前に歩み出る。
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鈴松信@誤字り姫@しんしん[受験により低浮上](プロフ) - コメント失礼します!面白くて一気読みしちゃいました!向こうの世界からオリオンの世界にエイリア石で来る…っていう考えが私の作品と似ていて凄く興味を惹かれました!更新無理せずにファイトです! (2019年6月11日 17時) (
レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年6月2日 1時
