scene67 ページ17
ふと我に返って抱きしめていた腕をほどくと、首をぶんぶん動かして辺りを見回した。
「ど、どうしたの？」
「いや、こんなとこ、だれかに見られたらやばいんじゃねえの」
どうやら周囲にだれもいないようだった。
「だれも見てないよ」
「と、とにかく早く帰るぞ」
急に焦りだすおれを見て、Aは吹き出した。
「お前なあ、笑い事じゃねえだろ！」
ムードぶち壊しちまったなって思ったけど！
「そうだね、行こっか」
Aはまだ笑っている。ったく、せっかく人が心配してやってんのに。
・
すっげえ覚悟決めてきたのに、結局おれからはなにも言わせてもらえなかったな、と隣を歩くAを見ながら思った。
まあ……それはまた今度でいいか。こいつはずっとここにいるんだし。
・
帰ってからおれらはすさまじい質問攻めにあった。
なんで二人で帰って来たんだとか、本番前の楽屋で何してたんだとか、みんなが嵐のように質問を浴びせてくる。
Aはずっと楽しそうにへらへら笑ってるだけだし、おれがなにもないと言ってもだれも信じないし、とにかく大変だった。
「ヒロトくん、本当に告白しなかったの？」
一通り質問攻めが終わって、みんながAにイベントの感想を言いまくるターンに入ったころ、野坂がまじめくさって訊いてきた。
「あ？ だからそう言ってんだろ」
すると野坂がわざとらしく、ものすごくでかいため息をついた。
「本当に君と言う人は……これだけセッティングしてあげてできないのなら、もう一生できないよ。このまま生涯孤独に生きることだね」
「っせえな、そのことに関しては感謝してっけど、こっちにもいろいろあんだよ。だいたい、てめえとの恋人関係も一応続いてんだろ」
そう言うと野坂は「ああ、そういえば」と手をたたく。忘れてたのかよ！
「もう解消してやってもいいんじゃねえの」
「だめだよ」と野坂は即答する。
「なんでだよ、お前おれのこと応援してる風だったじゃねえか」
「それでもだめなものはだめなんだ、たぶんあと少しだから」
「はぁ、あと少し？」
「うん、そんな気がするんだ。ヒロトくんもそう思わない？」
野坂は賑やかな声の中心にいるAの方を見た。
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楓 - 福岡、京都、沖縄...陽花戸中、漫遊寺中、大海原中ですね。立向居や木暮、綱海がいるか確かめにでも行ったのでしょうか...。でも、夢主ちゃんの世界にヒロトは存在していない、と聞いたとき、ヒロト本人はどう思うのでしょうか...続きがすごく気になります！ (2019年2月17日 17時) (
レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 無印時代からアレス時代に来るとき、雷門中から飛び降りたことで夢主ちゃんがこの時代に来れたとか...？色々想像できて楽しいです！頑張ってください！ (2019年2月15日 13時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 初コメ失礼します！！もしかして夢主ちゃんは無印時代から来た子ですか！？アツヤ見て泣いたのも、ヒロトを見てビックリしたのもつじつまが合いますし...。(アツヤが生きてて嬉し涙、ヒロトがタツヤと全然似てなくて驚き)いつも応援しています！！ (2019年2月12日 3時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - すごく場面場面が入ってきてとっても読みやすいです！続き楽しみにしています♪ (2019年2月11日 22時) (レス) id: 35021d0064 (このIDを非表示/違反報告)
はずにゃん☆ - こんな感じの小説待ってましたー♪投稿頑張て下さい。 楽しみにしています！ (2019年2月9日 14時) (レス) id: f86bddf786 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年2月8日 17時
