髪 ページ26
警察署で乱歩を待つこと数時間、へこへこと頭を下げながら乱歩にお礼を言う刑事らと共に乱歩は姿を現した。
「いやあ、遅くなっちゃったね。」
「この分だと横浜に着いた時には日付変わりますよ。」
「じゃあ、1泊して行っちゃおっか?」
上機嫌にビジネスホテルを探す乱歩、オレンジ色の夕焼けに照らされた彼は少し幼げに見えて微笑ましい。
「そうだ、Aくん。」
「何でしょう?」
「同じ部屋にするから変身解いておいてね。」
「ああ、なるほど。分かりました。」
Aは太宰からケチだケチだと言われるくらいにはケチだった。上司の乱歩には全てお見通しだったため、少し恥ずかしい。
人が居ないことを確認して異能力を解く。そしたら、つま先から頭のてっぺんまで舐めまわすように乱歩はじっと見つめていた。
「乱歩さん、何か?」
「そろそろ君、髪切った方がいいと思うよ。ぬぼってしてるし。」
そう言ってAに近付き、以前薄汚い等と言われたその邪魔そうに肩にかかった髪を一房すくうと僕は君の髪、好きだな。と呟いた。
「あ、ありがとうございます!その、汚くないですか?」
「君は可笑しなことを言うね!」
目をぱちくりさせながらお礼を言うA、正直なところ喜ぶよりも驚きの方が上回った。その反応がとても面白いようでけらけら乱歩は笑う。
「君が何を言われたら嬉しいのか考える事くらい、朝飯前だよ。」
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左目から鯖味噌(プロフ) - 結さん» 一夜と六夜しか未だ読めずにいますし、ひとつの夢と一夜の内容をかけたかったので夢一夜とサブタイトルを付けさせて頂きました主に短編、中編作品ばかり読んでいますが上手く物語に入れる事が出来るように頑張りたいと思います。コメントありがとうございます。 (2016年6月11日 12時) (レス) id: 7e4ff29a97 (このIDを非表示/違反報告)
結(プロフ) - 夢十夜ですね!私、大好きです!いつも応援してます。これからも頑張ってください。 (2016年6月11日 11時) (レス) id: df8cc1ba1e (このIDを非表示/違反報告)
左目から鯖味噌(プロフ) - Hiyoriさん» 感想ありがとうございます。楽しみにされた分、良いと思って頂けるような作品を作ることが出来たらな、と思っております。応援に応えられるよう、努力致します。 (2016年5月16日 23時) (レス) id: 7e4ff29a97 (このIDを非表示/違反報告)
Hiyori - 続きも楽しみにしてます!頑張ってください! (2016年5月16日 22時) (レス) id: 4584690b17 (このIDを非表示/違反報告)
左目から鯖味噌(プロフ) - konohaさん» いえいえ、お気になさらず。見て下さりありがとうございます。応援に応えられるよう、邁進致します。 (2016年5月15日 20時) (レス) id: 7e4ff29a97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:左目から鯖味噌 | 作成日時:2016年5月15日 17時