緋弾のアリア＊キンジの妹＊

第八弾　イ・ウー時代 ページ9

俺は理子に言われ、約束通り美術室へ来た。
広い美術室を見渡すと、ちょうど真ん中あたりの席に理子がいた。何故か、ジャンヌもだ。
ジャンヌ「遠山、ここで聞いたことは誰にも言うなよ。A本人にも、そしてアリアにもだ。」
ジャンヌは鋭い表情でそう言った。
すごい大げさなふいんきに感じるぞ。
理子「でね、きーくん。ここからが本題なんだけど…。まずはAの二つ名。Aの二つ名は『十字(クルス)のA』。」
キンジ「十字(クルス)…？」
理子「十字(クルス)って言うのはね、Aは二丁拳銃、二刀流を使う武偵なんだけど…、Aは両手で拳銃を持ち、両足で二本の刀を持つ。つまり…、十字架。十字(クルス)なんだよ。」

…A、そんな強力な戦法を身に着けていたとわな。
俺が驚く中で、ジャンヌが静かに口を開いた。
ジャンヌ「そして、イ・ウー時代の呼名は…『失う少女(ロストガール)』。」
キンジ「ロスト…ガール…？」
俺もその名前は聞いたことがある、確かそいつと戦ったものは血液や血肉まで失われる…と、言った本当に存在するかも分からない都市伝説のようなものだったが、単に、うちの武偵高で一人、失う少女(ロストガール)による犯行だと思われる犠牲者も出ている。それがAだったんだな…。
ジャンヌ「つまり、Aは司法取引を受け、その取引条件の一つで此処に通っている…と言うことだ。」
理子「理子も、一緒にイ・ウーに居たのが短い間だけだったから…、Aの事はよく分からないの。取りあえず、二時間でコレぐらいは調べられたけど。」
理子が申し訳なさそうに言う。
いや、コレだけ分かればいい。もう、これ以上は知りたくもない。

俺は後ろを向き、静かにジャンヌと理子に手を振りその場から去って行くのだった。

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