腹が立つくらい猛烈に２【日高光啓】 (ページ1)

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目覚まし30個かけても起きれない俺だけど
この時期は、カーテンを通り抜けてくる冷気に起こされる。

日「…さっむ」

冬は嫌いだ。いや、嫌いになった。
どんなに着込んでも冷え性の体はあったまんないし
暖房器具は乾燥するし、良いこと無し。

人肌が、恋しくなるからっていうのも、ある。

宇「おはよ」

日「ん、はよ」

宇「本当に遅刻しなくなったよねぇ」

日「貴方にきつーく言われたからね」

当の本人は、まだ姿が見えないみたいだけど。
そういえば朝飯食ってないな…。

日「秀太ぁ、何か食物持ってない？」

秀「家で食ってきたから、ねぇよ」

日「しんじろはー？」

秀「スタバ行った」

ちょどいい、ついでに何か買ってきて……。

バーンッ

真「なぁ～見て！貴方に朝ごはんもらった！」

貴『ただのおにぎりだけどね笑』

宇「え～いいなぁ～」

貴『食べてきたでしょ？また今度ね、はい、日高くん』

日「…え、いいの？」

貴『どうせコーヒーで済ませて来たんでしょ？』

はい、と綺麗に並んだ1つのおにぎり。
小さい貴方の、1口サイズ。

日「さんきゅー！」

貴『はーい、食べたら着替えてねー』

1つ、2つ、3つ…食べるごとに分かる、貴方の心。
俺が好きな具材で握ってくれていた。

日「あー落ち着いた！」

直「幸せそうな顔するね～」

日「そりゃもう！幸せだもん！」

そう、これが幸せなんだ。
いいんだ、これが俺と貴方の正解。

いつからだろう
貴方が部屋に来なくなったのは。