レンタル彼氏 目黒くん

17 ページ17

キュンキュンしながら、車中の会話も盛り上がった。
阿部ちゃんの運転指導っていう名目でのデートやったけど、阿部ちゃんの運転は安定感があって、指導なんてほとんど必要なかった。

「あ！阿部ちゃん、写真撮ってええ？」

「お、出た、康二のカメラ！！かっこよくとってよね〜」

「まかしとき〜♪」




やってきたのは、巨大なアウトレット。
アウトレットってほんま楽しいよね〜。

「わー！アウトレット久しぶりや〜！！阿部ちゃん、欲しいものあるん？おれはニットとかみたい〜」

「おれもいいのがあれば欲しいな。康二、おしゃれだから見立ててよ。」



これ、夢なん？

向井康二、ただいま感動しております(顔には出さんようにしてるけどな)。


「阿部ちゃん、こういうの似合いそう！こっちもええね！」

「あ、かわいい！買おっかなー」


好きな人とショッピング。服屋さんでお互いに服をあててみたりして、選び合う。

ほんま憧れのシチュエーションや…。

阿部ちゃん、背が高くてスタイルがいいから、どんな服も似合うんよ！
店員のお姉さんもメロメロになっとったもん。



「いっぱい買ったね。」

「そやね！いいもん買えたわ！写真もいっぱい撮れたし！」

買い物した後、アウトレットの中のレストランで晩ご飯を食べてそろそろ帰るころ。
帰りも阿部ちゃんが運転してくれた。

楽しかったデートも終わっちゃうんやなぁ。
もぉ〜帰りたないよ〜…。
寂しすぎて、帰りの車の中で無口になってしまった。

「…康二、帰りちょっとだけ寄り道してもいい？」

「えっ、もちろん！」

少しでも長くいられることがうれしくて、場所はどうでもよかった。
コンビニとかファミレスとかかな？
そう思ってたら、

「着いたよ。」

「え…。」

着いた先は小高い丘の上。

18→←16

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す