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リリーさんの笑顔にドキドキしながらも
どこかホッとする自分がいた。
モヤモヤが浄化されていくような。
安らぐような。
「あ、」
その声に、肉が置かれた網に
落としていた視線をあげる。
『なんですか？』
「そういえばAって30までに
結婚したいって言うてなかったっけ？」
『うわあ、やなこと覚えてますね。
ラジオでさらっと言ったことなんて
ラジオ終わった瞬間忘れてくださいよ』
「Aのことやったら全部覚えとるよ。
な、俺と結婚する？」
ニヤッと右の口角をあげて
不敵に笑うリリーさん。
確かに絵にはなっているのだけど、
心なしかいつもより
そういう冗談が多い気がする。
『リリーさんが軽口叩くんはいつものことやけど
なんか今日多くないですか？
失恋しました？自暴自棄なってたりします？』
「なっとらん。てか失恋しとらんし」
『…じゃあそんな適当なことばっか
言わんほうがええんとちゃいます？
好きな人に本気にしてもらえんようなっちゃうかも』
私といるのに
今日は本命と過ごしてる、とか結婚する？とか。
もし本命の子に聞かれたら…
...そんな後輩の生意気な心配も言葉も
スルーしてくれればいいのに。
「うん、そうみたい。自業自得やな」
少し悲しそうに
ポツリと呟いたリリーさんに、
胸がキュッと締め付けられた。
『…ごめんなさい。
よう知らんのに私こそ軽口叩きました』
リリーさんの本命の子に対する気持ちなんて
彼自身にしかわからないのに
知ったようなことを言ってしまった。
手を止め謝ると、
いや、と口を開いたリリーさん。
「響いた。うまくいかん理由 それかーって。
やから謝らんで。寧ろありがとうやから」
『…うまく行かんかったんですか、その子とは』
「今のところは、な。
けど理由わかれば改善できるから
もうこれは勝ったも同然や。
まじでありがとうな。好きやで」
いや、そういうところやー！
と思ったけど、
リリーさんの笑顔がなんだか嬉しくて。
『一生懸命育てた私のロース、あげます』
これが母性というものなのだろうか。
食い意地を張った私の珍しい行動に
リリーさんは目尻を下げて喜んでくれた。
「ありがとう、優しいな」
『言うて ここリリーさんの奢りやけど』
「もちろん。どんどん食べてな」
『はい。全く遠慮しません。
特上厚切りタン食べたぁい！』
「可愛くてどんどん食べさせたくなるわ」
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オリ - 初めまして。こちら読ませていただきました、とてもキュンキュンします！あと少し質問なのですが、度々出てくるインスタのイラスト、あれどう作ったんですか？やってみたいと思ったので教えて欲しいです！ (2021年9月18日 16時) (
レス) id: 5ca285a959 (このIDを非表示/違反報告)
hico(プロフ) - ユキさん» コメントありがとうございます！楽しんで読んでいただけてとても嬉しいです。これからも更新頑張りますので、引き続きよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年6月17日 18時) (レス) id: febdff73d6 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 更新ありがとうございます。読むページごとに、それぞれとうまくいって欲しい！という気持ちに。今はリリーさん推しです。これからも楽しみにしています。 (2021年6月17日 17時) (レス) id: 66d7a7b3ae (このIDを非表示/違反報告)
hico(プロフ) - ユーリさん» コメントありがとうございます！読んでいただけて嬉しいです。これからも更新頑張りますので、ぜひまた読みにきていただけると嬉しいです(*´-`) (2021年6月6日 21時) (レス) id: febdff73d6 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いてます！ゆずるさんといい感じになっていますが、他のお二人とも今後何かありそうで、とにかく楽しみな4角関係です！これからも楽しみにしてます！！ (2021年6月6日 1時) (レス) id: a667278346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hico | 作成日時：2021年5月19日 22時
