83 side_yuzuru ページ33
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俺のそんな言葉に
はい、と小さな声が聞こえた瞬間
部屋着に上着を羽織って、
すぐに家を飛び出した。
その時乗ったタクシーは
普段乗ったら「運転荒いなあ」と
若干嫌な気持ちになるレベルの運転だったが
少しでも早く行きたかったからありがたかった。
◇
『ゆずるさんの言う通りでした』
「…何が？」
ホテルの部屋で1人お酒を飲んでいたAは、
ワインを手酌しながらポツリと呟く。
憂いを帯びた表情に
泣いた痕跡は見つからなかったけれど
声はやっぱり震えていて、
泣くのを我慢しているように見えた。
『ゆずるさん、覚えますかね。
私に初めて「彼氏と別れたん？」
って聞いてきたときのこと。
8月…やったかなぁ』
「え？ああ、確か…、」
まだあの時は付き合っていた彼氏が
賢ちゃんだったなんて知らなかったとき。
なんなら別れた相手はリリーだと思っていた
大阪で2人で飲んだ日のこと。
こんなに近くにいる男と付き合って
すれ違いってなんやねんと思った日。
でもやっと俺にも
チャンスが巡ってきたんや
と嬉しくもなった日。
忘れるわけがない。
『別れた理由を私がすれ違いって言うたとき
ゆずるさん、言ったでしょ』
��すれ違いってわかっとるんやったら
お互いちゃんと話せばわかるってこともわかるやん。
それを放棄したってことちゃうん？お互い��
「…うん、」
『ほんまに、その通りやったんです』
「いやそれは
相手が賢ちゃんって知らんかったからで…、」
『相手が誰であろうと同じことです。
全部全部 話し合うことを放棄したんが
招いた結果やったんです』
自分を責めるように
辛そうな顔をするAをみて、
数か月前の自分を恨んだ。
好きな女を自分の言葉で
苦しめるなんて最低や、と。
窓の外は隣のホテルの建物の壁しか見えないけれど
Aはそんな外を見ながら言葉を紡ぐ。
『川西さんは、
私に他に好きな人が出来たんやと
思っとったらしいです』
「…え、そうなん？」
『はい。馬鹿みたいな話ですよね。
2人とも同じような不安抱えて、
2人とも決定的な言葉が怖くて、
話し合いを避けて…、』
言い終わる前に、Aの瞳から涙が溢れた。
一度頬を伝えば、そこからはもうとめどなかった。
泣いて しゃっくりをしながら
一生懸命Aが話したことを
要約するとこうだった。
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オリ - 初めまして。こちら読ませていただきました、とてもキュンキュンします！あと少し質問なのですが、度々出てくるインスタのイラスト、あれどう作ったんですか？やってみたいと思ったので教えて欲しいです！ (2021年9月18日 16時) (
レス) id: 5ca285a959 (このIDを非表示/違反報告)
hico(プロフ) - ユキさん» コメントありがとうございます！楽しんで読んでいただけてとても嬉しいです。これからも更新頑張りますので、引き続きよろしくお願いいたしますm(_ _)m (2021年6月17日 18時) (レス) id: febdff73d6 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 更新ありがとうございます。読むページごとに、それぞれとうまくいって欲しい！という気持ちに。今はリリーさん推しです。これからも楽しみにしています。 (2021年6月17日 17時) (レス) id: 66d7a7b3ae (このIDを非表示/違反報告)
hico(プロフ) - ユーリさん» コメントありがとうございます！読んでいただけて嬉しいです。これからも更新頑張りますので、ぜひまた読みにきていただけると嬉しいです(*´-`) (2021年6月6日 21時) (レス) id: febdff73d6 (このIDを非表示/違反報告)
ユーリ(プロフ) - いつも楽しみに読ませて頂いてます！ゆずるさんといい感じになっていますが、他のお二人とも今後何かありそうで、とにかく楽しみな4角関係です！これからも楽しみにしてます！！ (2021年6月6日 1時) (レス) id: a667278346 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hico | 作成日時：2021年5月19日 22時
