▽ ページ29
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「やって…
賢ちゃんに、好きって言うてたやろ。
2ヶ月前の飲み会で。好きなんです、って」
『……そんなわけ、ありません。
言ってたとしたらそれは河井さんのことです』
この2年間河井さんしか見れなかったのに
賢志郎さんに好きなんです、なんて言うわけがない。
言ってたとしたら
河井さんのことを相談してた時だけ。
「ほんまに、俺のことが好きなん？」
ポツリと、信じられない、といった様子で
呟く河井さんに頷いて見せる。
もうどうにでもなれ。
『やからそう言うてます』
「……なんや、そうやったんや」
『なんで私のこと嫌いになりましたか。
前あんな仲良かったのにいきなり、』
ああまた涙が溢れる。
そう思った瞬間、
私の頬に河井さんの手が触れた。
「泣きすぎやって」
『…河井さんのせいです』
「その、河井さんっていうの
やめてくれへん？心臓に悪いねん」
聞きたいことばかりなのに、
私を熱い瞳で見て、涙を拭う河井さん…
ゆず兄に、何も言えなくなった。
「ずっと好きやった後輩が、
自分と仲良い同期に好きやって言うてるとこ見て
ショックで普通にでけへんようなってもうたら、
その後露骨に呼び方変えてくんねんで？
ゆずにー！って可愛かった後輩が
河井さんって呼んできてみ？
ショックどころちゃうで」
『…ずっと好きやった…？』
「お前につらく当たるのも
プライベートで会えへんようなんのも
かなりしんどくてしょうがなかった」
『ゆず兄、』
ゆず兄もしんどかった？
私みたいに辛かった？
「好きや。…Aが好きなのは
賢ちゃんやなくて、俺なんやな？」
『はい。ゆず兄…好きです、大好きなんです』
「ほんまにごめん。傷つけて…」
『本当です、嫌われたんかと、っ』
「嫌いになりたいとは思っとったけどな、
なれへんかったわ、全然。
めっちゃ可愛いめっちゃ好きやって
会うたび思ってしんどかったわ」
鬱陶しい、なんて口では言いながら
そんなこと思われてたなんて。
あんなに辛かったのが嘘みたいに幸せを感じる。
「その分、ほんまに甘やかすから
俺の彼女なって」
『なります…！』
「じゃあ、ゆず兄ちゃうな。
ゆずるくーん、ってこれから言うてや」
◇
「あ、やっとくっついたん？
アホなすれ違いやっとんなと思っとったわ」
後日言われた賢志郎さんの言葉に、
やったら言うてや！と
タメ口でどついたことは言うまでもない。
-end-
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さくら(プロフ) - 初めまして！ 他のシリーズも読ませていただきたいのですがパスワードを教えていただくことは可能ですか？ (3月27日 2時) (
レス) id: 29a1fe95ee (このIDを非表示/違反報告)
秘密のアッコちゃん(プロフ) - はじめまして！シリーズ全て読ませて頂きたいのですがパスワード教えて頂くことは可能でしょうか？ (1月11日 22時) (レス) id: b2629d5630 (このIDを非表示/違反報告)
☆kon☆(プロフ) - 初めまして！どの小説にもめちゃくちゃキュンキュンしました！特に南條さんと辻さんの、じれったい2人の距離感とかもやもや感が特徴を捕えた文章で表現されていて最高でした！！ぜひ他の作品も読ませていただきたいのでパスワードを教えて頂けませんでしょうか＞＜ (12月27日 22時) (レス) @page38 id: 8e45766978 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 初めまして！過去のお話も読みたいのでパスワード教えていただくことはできますか？ (12月24日 9時) (レス) id: 6b7bdcebc6 (このIDを非表示/違反報告)
hina - 何回読んでもキュンキュンします！他のお話もまた読みたいです｡パスワード教えて頂くことはできますか？ (2022年2月12日 6時) (レス) id: bdfbcba29a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hico | 作成日時：2021年5月26日 17時
