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『桑原さん、やっと来たんで………
え、リリーさん？』
「お、リリーどうしたん」
そう。
桑原さんだと確信して話しかけたら。
1年ぶりの将企が、
ドアのところで立ち尽くしていた。
「Aがおるって聞いて」
『え、誰に…？』
「モリシに」
『あ…そうやったんや、』
盛山くんがこっちを見た気はしなかったけれど
気づいていたのか、と吃驚しながら
同時にあんな勢いで走って来たのが将企だった
ということにも吃驚だった。
そして1年ぶりだというのに
案外普通に話せている自分にも驚く。
『てかそんな走ってどうしたん？』
「…どうした、やないやん」
『え？』
「……はぁ」
少し呆れたように私を見てため息をつき
多田さんの方に視線を向ける将企。
…何で今、私ため息つかれたんだろう。
「多田さん、今って打ち合わせ中ですか？」
「んー打ち合わせ中なはずなんやけど
桑が遅刻して始められへんって感じかな。
既読もつかんしいつ始められるかもわからんけど」
『電話も出えへんのよね』
「じゃあちょっとA借りていいっすか？」
「うん、ええよ」
私を借りる、ってどういうこと？
と思った時には将企は私のところにやって来て
腕を握りながら、
「着いてきて」
と言った。
『へ？あ、うん』
何事だ、と思いながらも
有無を言わせぬ少し高圧的な将企の態度に
とりあえず頷くしかなかった。
◇
「モリシはどうせ喫煙所やろ。
打ち合わせ10分後からやから、まだ時間もある」
見取り図が使う予定らしい会議室。
促され入ると、盛山くんは確かにいなかった。
『…元気、やった？』
「何でそんな普通に聞けるん」
『え、あかんかった？』
「1年間ひとつも連絡よこさんで、
何で普通におれるん？」
『……それは、』
会いたくなるからやん、
それにあんたも連絡よこさんかったやん。
と、可愛いのか可愛くないのか
分からない本心を言ってしまいたくなる。
「しかもゆず兄とは会っとるし、」
『それは、単独のお手伝いとかもしてたからで』
「なんで待っとってって言ったのに
大人しく待っとってくれんの。
Aの近況をゆずるさんから聞いた
俺の気持ち、わかるん」
『いや、待っとってやなくて
待っとけ、やったけどな』
「そんなん今いいんよ。
…なぁ、俺のことまだ好きやろ？」
言葉だけ捉えると自信満々なのに
将企の瞳は、柄にもなく不安そうに揺れていた。
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さくら(プロフ) - 初めまして！ 他のシリーズも読ませていただきたいのですがパスワードを教えていただくことは可能ですか？ (3月27日 2時) (
レス) id: 29a1fe95ee (このIDを非表示/違反報告)
秘密のアッコちゃん(プロフ) - はじめまして！シリーズ全て読ませて頂きたいのですがパスワード教えて頂くことは可能でしょうか？ (1月11日 22時) (レス) id: b2629d5630 (このIDを非表示/違反報告)
☆kon☆(プロフ) - 初めまして！どの小説にもめちゃくちゃキュンキュンしました！特に南條さんと辻さんの、じれったい2人の距離感とかもやもや感が特徴を捕えた文章で表現されていて最高でした！！ぜひ他の作品も読ませていただきたいのでパスワードを教えて頂けませんでしょうか＞＜ (12月27日 22時) (レス) @page38 id: 8e45766978 (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 初めまして！過去のお話も読みたいのでパスワード教えていただくことはできますか？ (12月24日 9時) (レス) id: 6b7bdcebc6 (このIDを非表示/違反報告)
hina - 何回読んでもキュンキュンします！他のお話もまた読みたいです｡パスワード教えて頂くことはできますか？ (2022年2月12日 6時) (レス) id: bdfbcba29a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hico | 作成日時：2021年5月26日 17時
