【ワンパンマン】不憫少女ヒーロー (ページ3)

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STORY３ページ3

「おはようジェノスくん」

「おはようございますAさん」

早朝に突然やってきたAは
ジェノスの顔を見た途端そっと目をそらした

「…ごめん、昨日久々にサイタマくんにあったら君の存在を忘れて来ちゃった」

「そうだと思いました！」

「何故嬉しそう！？」

グイグイと背中を押して部屋に招き入れるジェノス
勿論ここはサイタマの家です(大声)

「あ、…」

つん、と鼻の奥をくすぐる懐かしい匂い
とくん、と胸が弾む

サイタマくんの匂いだ

「……」

「…Aさん？」

「…サイタマくんは、まだ寝てるね」

リビングへと足を進め、
布団に挟まりいびきをかいているサイタマを目に入れ微笑む

「ジェノスくん、朝ご飯を作ろうか」

「いえ、ここは俺が！」

「サイタマくん好みの味、教えてあげようと思ったんだけど…」

「是非！！！」

ジェノスと共に台所に立つ
あらゆる食材を使い料理を始める

すると、Aが小さく声を発した

「本当はね、サイタマくんの為なんかじゃないんだ」

「え？」

聞き返すジェノスに
Aは小さく笑ったが、それには悲しみを帯びてた気がした

「ジェノスくんの話を聞いてたら、何となく自分はもう要らないじゃないかって思ったんだ。

それに、
私は彼に依存している、そろそろ彼から離れないと行けないような気もした」

未だ寝続けるサイタマを台所から見つめる
安心しきって寝てる顔、それすらも愛おしい

「君が羨ましい」

零された本音は
一気に部屋を静寂へと導いた

それから何も言わないA

「俺は貴女が羨ましい」

今度はジェノスが口を開いた

「貴方は先生と幼き頃から共にいるとお聞きしました。俺はサイタマ先生のことを知っているつもりです。
しかしそれは単なる思い込みに過ぎません。俺以上に、貴方は先生のことをよく理解している

俺は、そんな貴女が羨ましくて仕方ありません！」

淡々と言い放ったジェノスに
Aは目を見開いた

しかし、直ぐにその表情は消えて

「ジェノスくんは私に似ている、ちょっとね」

ジェノスに初めて見せる
彼女の本物の笑顔が現れた

「んっ、…あ？なんだ…来てたのか、(人1)…」

「おはようサイタマくん」

「(人1)、だと！？それはAさんの愛称ですか！？」

「うん。でもこれはサイタマくん限定だから」

「先生、俺も愛称で読んでください！」

「うん、やだ」