STORY14 ページ14
「サイタマ先生の順位が最下位の388位から342位に上がっています」
「…あれで上がったんだ、ふ〜〜ん……」
「おめでとうサイタマくん」
「因みにAさんも95位から70位に」
「ファッ!?」
カタカタとパソコンを弄るジェノスくん
素直にサイタマくんのことを褒めていた私は衝撃の事実に思わずアホらしい声を上げてしまった
「どうやらAさんはB級にも関わらず、些細な事でも助けてくれるヒーローだと評価されているみたいです、まるで無免ヒーローを見ているようだ、と」
「無免くん…!」
その言葉に思わず彼の名が出た
無免くんの様な心優しき人間だと思われたのがこの上なく嬉しい
「……」
「え、何サイタマくん?」
「…別に。それより、一週間たったけどジェノスはなんかやったの?」
グイッ、とジェノスくんからは見えないように私の服の裾を掴んだサイタマくん
だけど、何事もないかのようにお茶を飲む
「いえ、俺は何も…だから実力ランクはS級の最下位の17位です
でも一般人による投票で作られる週刊人気ランキングだと6位になっています」
「なんで!?」
「……」
盛大に吹き出したお茶は見事なまで全て私にかかった
お陰でびちょびちょ…
「19歳の若さでS級デビューした天才期待できる、顔がカッコイイ、メディアへの露出を一切拒否するクールさがいい、サイボーグ王子、鉄の無表情の中に儚さを感じる、イケメンヒーロー五本指に入る…等と書かれています」
「お前自分で言ってて恥ずかしくないのか?」
サイタマくんから貰ったタオルで頭を吹いていると
ジェノスくんへ対する周囲の目は凄いものだと発覚した
まぁわからないことはないけど
「サイタマくん、服借りるね」
丁度洗濯がされた服が乱雑にされていたので手に取りリビングを出る
リビングからはジェノスくんとサイタマくんの声が聞こえる
脱衣場で服を脱ぎ、袖を通す
フワッ、と匂う彼の匂い
「___ッ、…」
思わずその匂いを肺に送り込む
いい匂い
私の大好きな匂い
サイタマくんに包まれている気がする
「例え世間に評価されなくとも俺は先生程優れた人は見たことありません」
「気持ち悪いからお世辞はやめい」
何とも仲のいい光景に頬が緩んだ
「サイタマくんの良さを知るのは私とジェノスくんだけでいいよ…」
「うん、こえーからマジやめろ。…つーか俺のしょう油Tシャツ」
「いい匂い」
「おいジェノス警察呼べ」
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作者名:ひーちゃん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/karua/
作成日時:2016年6月22日 23時