【ワンパンマン】不憫少女ヒーロー (ページ13)

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STORY１３ページ13

「あれ、ジェノスくんは？」

「博士んとこにメンテだってよ」

ジェノスくんはクセーノ博士という人の所に定期的にメンテに行くらしい

サイタマくんの家には彼１人でジェノスくんの姿はどこにも無かった

つまり今この部屋には私達２人しかいない

「……」

「ッ、！？…なんだよ、(人1)」

TVに向かってゲームをしているサイタマくんの背にそっと抱きついた

「久しぶりに二人きりだから、充電」

「アッ！」

回した腕に力を少し加えると、
TV画面に映っていたキャラクターは死んでしまった

「珍しいね、君がコマンドミスなんて」

「……うっせーよ」

やる気を無くしたのか、
コントローラーを置いて今度は漫画を手にした

体制は変わらずそのまま

「…その漫画ずっと読んでるよね」

「何度読んでもおもしれーからな」

それから黙り込むサイタマくんの肩にめっちゃおデコを擦り付けた

「…なんなのさっきから」

「サイタマくん、」

肩越しにこっちを振り向いた彼
私はそっと彼から漫画を取り上げ、後ろから前へと移動し

胡坐をかく彼の脚を挟むように手をついた

「私を見て」

ジッ、と彼を見つめると
黙ったまま、サイタマくんは私の肩に手を置いて横へと押した

ぼすん、と畳まれた布団の上に崩れた私の目の前に
同じようにサイタマくんも横になった

ドキドキと鼓動がなる
空いていた左手に、彼の手が重なったと思えば

こつん、とおデコが当たった

間近にある彼の顔に、恥ずかしさのあまり目をそらしそうになるけど

逸らしたくない気持ちの方が上回る

「寝ろ。起きたらスーパー行くならな」

突然の言葉に少し驚いたけど、
小さく返事をし、瞼を閉じた

「サイタマくん、好きだよ…」

「知ってるっつーの」

握られた手は暖かい
発せられる言葉も暖かい

それなのに、
彼は私の気持ちに応えてくれない

あぁ、
本当に好きだ

「ドアの前に昆布がたくさん置いてありましたが、」

帰ってきたジェノスくんが不思議そうに尋ねてきたのをみて、笑いそうになった

アレはスーパーの帰り道に現れた昆布の怪人からムシったモノだ

「あぁ、あれはたまたま…たまたま安かったんだ」

サイタマくんが濁し、素直に聞くジェノスくんに笑いを堪えることは出来なかった

「何笑ってんだ」

「昆布の攻撃ッｱｯﾂｩ!!!!」

吹き出したのを見られ、サイタマくんが見えぬ速さで茹でていた昆布が私の顔面に直撃した