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子供49 ページ49

冷たい彼の手に自分の指を絡めながら、ゆっくり雪道を歩く。

前方では神楽ちゃんと総悟くんが言い合いをしていて、新八くんが止めに入っている。

その光景を見てクスクスと私は笑い出す。


「たく…おいガキども危ねぇぞ!雪なんだからすべんぞ!!」


銀ちゃんは面倒くさそうに一応注意する。

振り向いた二人はベーッと舌を見せ、走って行ってしまった。

慌てて新八くんも追いかける。

一緒に帰ろうって言ったのに。

本当に元気だなぁ。


「銀ちゃん」


「あー?」


三人の後ろ姿をボーッと眺めながら銀ちゃんに声をかける。


「銀ちゃんの手って冷たいね」


「心があったけぇからいいんだよ」


サラサラっと流れる会話。

けど、その会話の節々にどこか温もりがあって。

うん…やっぱり、私はこの人が好きなんだなぁ。


「腕組まね?」


「え?」


そんなことを考えていたら、手を離された。

かと思えば、今度は私の腕を無理矢理掴み、自分の腕に巻き付かせる。


「この方がAちゃんのオッパ〇と密着でき」


言いきられる前に、空いた手で思いっきり腹を殴る。

「どぅふぅぅぁあ!!」と大きな声で叫び、顔を青くする彼。

ムードも何も無いのかこのポンコツ。


けど


やはり、縮まった距離に関してはホッコリするもので。

普段外では絶対にこんなことしてくれないから、余計に胸が高鳴る。


「っててて…んだよ、別にまんざらでもねぇんだろ?」


「うん、嬉しい」


素直にそう言えば、彼は目を点にした。

っふふ、可愛いなぁ。

子供みたいな顔でキョトンとしてる。

手を伸ばし彼の髪に触れる。

思わず撫でてしまい、気づいた時には銀ちゃんの顔は真っ赤に染まっていた。


「え、そんなに照れる?」


「あぁ!?照れてねぇわ!!」


歩く速度を速めた彼に、ゲラゲラ笑いながら私も合わせる。

もっとくっついてやろうとギュッと腕に力を込めると、おでこにデコピンされた。


「なんで!?なんでデコピン!?」


「歩きずれぇわ!!てかなに可愛いんですけど!!チューしていいっすかね!!!」


「大声で何言ってんのバカ!!するわけないでしょ!!」


結局、いつも私たちはこうだ。

昔も、今も。

こうして馬鹿やっている時間が幸せなんだ。

昔の自分や銀ちゃんに伝えたい。

未来は明るいから、辛くてもめげるな、と。

…そうだよね?晋助兄さん。




______きっとそうやって、私たちは救われていくんでしょ?



【続く】

〜あとがき〜→←子供48



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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時

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