子供14 ページ14
「銀時くんだぁ?」
バカにしたような声を出す土方さん。
そんな彼にグインと首を回した愛梨ちゃんは、ニンマリと笑った。
「銀時くん、いつ髪を染めたの?真っ黒になってる」
「…は?」
な、なに…どういうこと…?
ポカンと口を開ける銀ちゃんに対し、土方さんはピクピクと片方の口角を痙攣させていた。
「だぁれが銀時くんだ…あ…?俺は十四郎くんだ!!」
どうやら愛梨ちゃんは、土方さんを銀ちゃんと間違えたらしい。
まぁ…似てるよね。
「十四郎くん…、ターゲットの顔を認識します。認識完了、ターゲットの変更を実行します」
また機械じみた声を出し淡々と説明すると、愛梨ちゃんは土方さんに飛びついた。
「十四郎くん!」
「ぬぁ!!んだこいつ!!」
目をハートにし、土方さんの腕に絡みつく。
何がどうなってるんだこれは。
「ターゲット変更なんてシステム、組み込まれてたんだな」
私の隣にこっそりときた銀ちゃんが耳打ちしてきた。
「銀ちゃんのために作られた試作品、じゃなかったっけ…?」
銀ちゃんの好きなもの全てを熟知し、銀ちゃんに尽くはずの愛梨ちゃん。
…故障したのかな。
「で、どうするんですかィ、あの女」
総悟くんが肩を叩いてきたので、うーんっと首を捻る。
「どうしましょうね」
「とりあえずそのまま土方の女にしやしょう。いい提案だ」
「良いわけあるかぁぁぁぁあ!!!!」
「俺、なんでここにいるんだろう…いる意味なかったよね」
ボソッとそう山崎さんが呟き、銀ちゃんの尋問は幕を閉じたのだった。
☕
愛梨ちゃん事件から一週間後。
何とか銀ちゃんにターゲットを変更し万事屋に持ち帰り、傷を作らず源外さんに返却することが出来た。
愛梨ちゃんが万事屋にいた間は、私は銀ちゃんに会いに行っていない。
久々に万事屋へと足を運んでいる真っ最中だ。
「はぁ…なんか、ここ数日疲れたなぁ」
そう呟きながら、江戸の街を歩く。
銀ちゃんが厄介事を真選組にまで持ってくるとは思っていなかった。
私の部屋の障子の修理代は、銀ちゃんのポケットから出てくることはなく。
修理費は全て私が自ら出すことに。
障子は高い、金がねぇ。
なぜならパチンコでスったから。
あれだけ迷惑をかけといて、その答えが返ってきた。
本当にあのクズ男は…!!
「あ、ねぇそこの可愛い人。どこ行くの?」
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お茶(プロフ) - アルムさん» 素敵なコメントありがとうございます!!心の支えでございます涙次回作も宜しければ読んでいただけたら光栄です!ありがとうございました!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - お茶さんこんにちは! 番外編完結おめでとうございます。1シリーズのときからずっと好きで毎日読んでいました。お茶さんの綴る文章、大好きです。毎日お疲れ様です。次回作も楽しみにしています。 (2019年11月8日 23時) (レス) id: 4726a4adc0 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みゃんさん» わぁぁあコメントありがとうございます!続き頑張って書きあげますね!! (2019年9月4日 0時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みゃん - 一気に読んじゃいました!めっちゃ面白いです!!続きが早く見たいです! (2019年9月3日 22時) (レス) id: 21dc5ec498 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - あくび少女さん» コメントありがとうございます!ニヤニヤ…( -∀-) (2019年9月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2019年4月9日 2時