子供39 ページ39
〜土方side〜
奴の指示に従うのは気に食わねぇが、少しでも可能性があるならと思った。
俺としてもこの茶番を早く終わらしてぇ。
…Aに迷惑かかるしな。
ひとまず毛玉には取調室で待機してもらうことにし、山崎に真選組に被害届を出した女を呼び出すよう指示した。
数十分が経てばその女はすぐ現れ、万事屋のいる取調室へと移動。
奴は壁に追いやり、その女を座らせた。
「篠原 唯子(シノハラ タダコ)つったな」
「はい」
黒髪、長髪。
ごく普通の女にしか見えねぇが。
すると、壁に寄り掛かっていた万事屋が半歩前に足を出し、その女の顔を覗いた。
「あんた、被害届出したそうだな」
「そうですけど…」
「被害届と同時に情報提供もしてやったそうで」
コクリと頷く。
てめぇが仕切んじゃねぇ。
俺は足を組み直し、被害届の書類を机に出した。
「篠原さん、あんたの証言によりゃ「男は頭からピンク色の液体、つまり惚れ薬をかぶり異変した」と。…何で惚れ薬って分かった」
すると、彼女の眉がピクっと動いた。
なんだ…黒か?
ここは畳みかけた方が早ェのか。
「誰かに聞いたのか…それとも、元々知っていたかの二択になるが」
そう問いただそうとすると、膝に手を置き、俯いた彼女。
っち…。
俺はタバコを取り出し、火をつけた。
女はこれだから苦手なんだ。
黙りゃいいと思いやがって。
イライラしているのが足に伝達し、貧乏ゆすりが開始される。
長らく沈黙が続いた後、ゆっくり女から顔を上げ口を開いた。
「天人から、買ったんです。私、彼が好きで。でも彼には恋人がいて…別れさせる方法が分からなかったから…」
「お、おい…」
涙を零し、懸命に語る。
胸ポケットからハンカチを出し、差し出す。
ありがたく受け取り、涙を拭き出した。
「すいません…すいません…」
「それは彼女さんと彼氏さんに言ってやるセリフだ。ここで言うんじゃねぇ」
思いを寄せていた男には、既に女がいた。
何としてでも振り向かせたく、闇商売に手をだす。
薬を買った当初、誰に使うか聞かれたそうだ。
指名した男の頭上にくるよう、何らかでカラスを誘導。
そして女は、自身が怪しまれないよう、自分から被害届を出す。
胸糞悪ぃな。
天人を捕まえなきゃ話にならねぇってことじゃねぇか。
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お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます!注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、!このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
狼 - すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(コゴエ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね! (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください!! (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます!訂正しておきます! (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2018年8月25日 0時