子供２５ ページ25
「さて…で、話ってなんだ」
土方さんの冷静な声が、静かな部屋に響いた。
彼の自室に足を運び、総悟くんの隣に腰を下ろした私。
目の前に土方さんが座り、タバコをふかしている。
「まず、俺からAさんに聞きたいことがありましてねィ。どこでんな剣術学んだんですかィ」
…変に思われるのは当たり前か。
俯いていた顔を少し上げ土方さんを見ると、疑問を浮かべた表情をしていた。
「どういうことだ」
「帰り際に攘夷浪士にでくわしたんでさァ。その時、Aさんが一人の攘夷浪士を簡単に気絶させやして。ありゃ女ができる動きじゃなかった」
ねぇ、A姉さん。
と総悟くんに言われ、隣を見るとニヤッと笑っていた。
「剣術くれぇ、幼い時に習う奴もいるだろ。おかしくねぇじゃねぇか」
煙を吐き、灰を落とす土方さん。
すると、急に総悟くんが私の右手首を掴んだ。
上へと持ち上げられ、袖がスルスルっと肩まで落ちていく。
その様子を見ていた土方さんが、私の腕を見て目を見開いた。
「んだそれ…」
「暗がりで確証は持てなかったんですが、やっぱりありやしたねィ。この傷、なんですかィ」
思わず彼の手を振り払う。
攘夷戦争中、敵に刺され出来た刀の傷。
刀が貫通してしまったので、傷跡はなくならなかった。
あんな一瞬の出来事だったのに、総悟くんは腕まで見ていたのか…。
「そりゃ刀の傷だな。深く刺されにゃできねぇ、か…A、それいつできた傷だ」
土方さんの瞳は、普段向けられた優しい瞳とは違かった。
疑いの目だ。
正直なところ、ここで攘夷戦争に参加していたことを言ってもいい。
バレたところでどうにもならないからだ。
けれど、この人達には知られたくないという思いが、片隅にあった。
私が人を殺してきたこと。
冷酷な艶美として、名を轟かせてきたこと。
昔を思い出したくない、というのも多少はあるが。
そばで面倒を見てくれた真選組の皆に知られたら、どんな目で見られるか分からないから。
だから…自分から進んで言いたくはない。
けど、きっと彼らはこのまま私が黙っていたら、私を攘夷浪士と睨むはずだ。
仕方ない。
私は、「いつできた傷なんだ」という土方さんの質問に対し、真っ直ぐな目で言い放った。
「八年前の、攘夷戦争です」
嘘はつきたくない。
どう受け止めてくれるかなんて、分からないけど。
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お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます！注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、！このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (
レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
狼 - すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(ｺｺﾞｴ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます！！これからも頑張ります！！ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね！ (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください！！ (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます！訂正しておきます！ (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2018年8月25日 0時
