子供23 ページ23
屯所に帰ると、待ち受けていたのはもちろん
「遅せぇじゃねぇか、女中さんよぉ」
副長様だ。
腕を組み、門の前でタバコをジリジリと燃やしていた。
な、何あの仁王立ち…。
総悟くんの裾をギュッと握りながら近づけば、眉間に皺を寄せた土方さんが私を睨む。
「山崎の連絡によりゃ万事屋といたそうじゃねぇか」
「それには訳がありまして…」
何か言い訳を考えていると、総悟くんが私の手に自分の手を重ねた。
ドキッと胸が鳴る。
「あ、あんな所にマヨが」
「え、まじ、どこ」
総悟くんが指さしたのは土方さんの後ろ。
タバコを口から落とし振り向いた瞬間、総悟くんは走り出した。
ってちょっとぉぉおぉおお!!
物凄い勢いで走る総悟くんに連れられ、私も足を懸命に動かす。
後ろから土方さんの叫び声が聞こえが、徐々にそれも小さくなっていった。
私と総悟くんが来たのは、まさかのご飯屋さん。
今なぜ私はカウンターに総悟くんと座っているのだろう。
「あのまま説教されるより、俺と飯の方がいいですよねィ」
えっ、と隣を見れば、前を向いたまま水を飲む総悟くん。
もしかして、助けてくれた…?
「あ、ありがとうございます…」
「ほんとは屯所に帰ってAさんの飯が食いたかったんですが…。門の前で待ち伏せしてるとは思っていやせんでした」
なっ…。
そんなこと、どストレートに言われると
照れるというか…なんというか…。
遠回しだったとしても、告白された私。
なんて事ないセリフでも、いちいち心臓が音を立てる。
年下相手に何ドキドキしてんの私!!
小さくため息をついていると、目の前に丼が置かれた。
親子丼だ。
「すいやせん、勝手に選んじまった」
「あ、え、はい」
「これ、一番美味いんで」
割り箸を持ち、既に口をつけている総悟くん。
美味しそうにかき込む姿に、喉を鳴らす。
私も手を合わせ、箸を持つ。
そして、お米と一緒に具を乗せ、口に運んだ。
「うわぁ…美味しい」
思わず口に出してしまった。
ホクホクしている鶏肉に、ほんのり甘い卵。
めちゃくちゃ美味しい、これ。
顔を上げると、店主が私を見てニコニコしていた。
「うめぇだろ、それ」
「はい!とっても!」
「詰まらせねぇように、ゆっくり食ってな」
優しい笑みに、つられて私も笑ってしまった。
隣の総悟くんも、柔らかな表情だ。
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お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます!注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、!このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
狼 - すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(コゴエ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね! (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください!! (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます!訂正しておきます! (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2018年8月25日 0時