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子供2 ページ2

私が松陽先生に出会ったのは、およそ二歳の頃。

両親の顔も名前も覚えていない私を、彼が拾ってくれた。

松陽先生に聞けば、私は道端で倒れていたらしい。

幼い頃なだけに、かすかな記憶しか残っていない。

そんな私を、松陽先生は第二の親として、生活を共にしてくれた。


「貴方は私の生徒でもあり、娘です」


言葉が理解出来るようになった年齢の頃に、そう伝えられた。

本当の親は自分ではないと言われた時、正直混乱したが、丁寧になおかつ優しく説明してくれた。

…嬉しかった。

自分の事はほとんどと言っていいほど、何も知らなかった私。

だから、少しでも理解してくれる人がいるだけで、心は満たされたのだ。


「今日から貴方の名前は…Aです」


そして、私の名付け親になってくれた。



先生が開いている寺子屋には、私と同じように実年齢が分からない同居人がいた。

坂田銀時だ。

けど、彼は「十歳だ」と言い張っている。

ちなみに私は、多分だけれど六歳。


銀髪でくるくる天然パーマ。

死んだような魚の目をし、ダルそうな雰囲気を醸し出している。

そんな彼が、私のお兄ちゃんのような人。

いつも喧嘩ばかり、だけど。


そして、私のお兄ちゃんはあと二人いる。

桂小太郎に、高杉晋助。

二人は寺子屋の生徒であり、晋助兄さんに至っては道場破りだ。

二人も同じく十歳なので、私と四つ離れている。

よく遊んでくれる三人は、家族同然だった。



ある日。

松陽先生と銀ちゃんと縁側で話していた時。

隣に座りお茶を飲む松陽先生が、ふと口を開いた。


「そう言えば…Aの誕生日を決めていませんでしたね」


「誕生日…ですか?」


「はい。私と出会ったのが十月十日だったので、銀時はその日を誕生日として年齢の計算をしているのですが…すみません、Aと出会った日を忘れてしまいまして」


申し訳なさそうに眉を八の字にする松陽先生に、慌てて「大丈夫ですよ」と笑う。

そうか。

私は自分の誕生日を知らないのか。

確かに思い返してみれば、人生の中で一度も祝われたことが無かった。

そのことに対し不満を抱いたことは無かったし。

必要かと問われれば、そんな事ないと思ってしまう始末だ。


「めんどくさいので、銀時と同じ日にしましょうか」


「「はぁぁぁあ!!!??」」


庭で寝転がっている銀ちゃんと声が重なった。

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お茶(プロフ) - 狼さん» ご指摘ありがとうございます!注意書きにもありますが、原作と他は多々違うところがありまして、、!このお話の都合上3番隊の人数を増やしておりまして汗申し訳ありません汗 (2019年10月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
- すみません…今更なんですけど…子供扱い45のところの『三番隊の連中』ってあるじゃないですか…三番隊って…斉藤終しかいないんですよ…(コゴエ (2019年10月9日 20時) (レス) id: a55c73a212 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みのりさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります!!ぜひ子供扱い2子供扱い3も見てくださいね! (2019年1月22日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
みのり - 面白い展開ですねw。これからも頑張ってください!! (2019年1月22日 15時) (レス) id: f121079414 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - Fall ill appleさん» うわぁぁあコメントありがとうございます!訂正しておきます! (2019年1月1日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年8月25日 0時

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