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先生25 ページ25

「じゃあ、大沢君は悪くないんだね」


私がその一言を言うと、顔を伏せていた大沢君がゆっくりと私を見た。

土方君の背中を左手でトントンと叩き、手を離してもらう。

大沢君の前まで歩いていき、笑いかけた。


「そんな顔しないで。気持ちは嘘じゃなかったんだよね…?だったら、変な話だけどいいんじゃないかな。さっきは怖かったけど、大沢君が少しためらってるの実はちょっと分かっちゃったんだ」


私の首筋に唇を寄せるとき、彼は震えていた。

それに、切なそうな顔で私の事見つめるんだもん。


「ご、めん…ごめん、桜田さん…」


膝から崩れ落ち謝る彼を見て、この人は弱い人なんだと、そう思った。

川田さんがどんな人か知らないけど、きっとこの人の弱い部分に漬けこんだんだろう。

それに、こうやって素直に謝れる人だ。

優しいというのも、あるのだろう。

私はしゃがんで、彼の頭に手を乗せた。


「大丈夫だよ」


悪い人じゃない。

そう、悪い人じゃないのなら、いいじゃないか。






「ってことは、神威が美味しいところ全部持ってったって訳かィ」


帰り道。

あの後、土方君と神威君と一緒に教室に帰って、神威君の話を聞いた。

川田さんという女の人は,今までもこの様な事件を起こしていたらしい。

ターゲットを変えてはその周りにいる女子を、他の男に渡そうとする。

神威君はそのことを知って、彼女に詰め寄ったらしい。

すると、あっさりと白状したという。


「っは、少女漫画の悪役にピッタリなことする奴もいるんだな」


隣で歩く総悟は、そう嘲笑した。

私も「そうだね」なんて言いながら笑うと、急に足を止めた。


「…わりィ、俺のせいだ」


私も足を止めて彼の顔を見ると、悔しそうに唇を噛んでいた。


「ううん、総悟のせいじゃないよ」


「俺が原因で起こったことでィ。俺が悪ィ」


珍しく、総悟が自分を追い詰める。

長いまつ毛を伏せ、拳を強く握る。



「…しくない」


「は?」


「らしくないよ、総悟らしくない。いつもみたいに馬鹿にしたように笑って。あとアイス二本」


ピースサインを作って総悟に向ける。

歯を見せ笑って見せれば、総悟もふっと笑ってくれた。

そうそう、そうやって笑ってくれればいいの。

それが私の幼馴染なんだから。

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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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お茶(プロフ) - チャリ愛用者。さん» チャリ愛用者。様、いつも素敵なコメントありがとうございます!自身の体験と重ねてくださったそうで...!凄く嬉しいです!!素敵な恋ですね!!応援しています!!! (2018年10月24日 1時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 現実はそう簡単ではありませんがねw 長文失礼しました (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
チャリ愛用者。(プロフ) - 【子供扱い】を読んでいるので、お茶さんの他の作品も見てみようかな......。と思ってみにきました。何回読んでもニヤケが止まらないです(笑)今私には好きな人がいるのですが(急にどうした)、その人とよく目が合うので、その時のことを思い出しました......! (2018年10月22日 11時) (レス) id: d4fafb716a (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 涼竜さん» 素敵なコメント、本当にありがとうございます!胸キュンしていただけるなんて...光栄です(TT) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
涼竜(プロフ) - めちゃめちゃめっちゃ良かったです...笑 久々に胸キュンでした、ありがとうございます(*´ω`*) (2018年9月6日 23時) (レス) id: 6981c5c6d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2018年3月24日 3時

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