先生は甘党ですか【坂田銀時】

先生２０ ページ20

「私、あの日から女子からの熱狂的な声がすごかったんだからね！？」


そう、私が今度は被害に遭ったのだ。

黙っていればイケメンな総悟。

好きになる子も少なくない。

少女漫画にありがちだが、本当にファンクラブというものが存在していたし。

下駄箱のラブレター処理班に任命されたこともあった。

何が言いたいかって、総悟はモテる。

その総悟に私がくっつけば、私は敵とみなされる。

そうなるはずだった。

しかし、私の中学校は平和なのかバカなのか分からないが

私と総悟が付き合っているのではないかという噂がすぐ広まり、それを認める子が声を上げた。


「Aさんなら全然いいと思うわ！！」「総悟様のこと、よろしくお願いいたします…」


などなど、もう訳の分からない声が飛び交った。

その日から私と総悟の距離をより縮めてほしいということで、色々被害に遭った。

思い出したくないな、あの惨劇…。



「まぁ、私たちの中学の女子の頭がお花畑だったからよかったけど、この高校はどうなのか…。女子の嫉妬、怖いんだよ？総悟分かってる！？」


「俺とそこら辺の女と、どっちが大切なんでィ」


「そりゃ自分だ」


上目遣いで言われようが何だろうが、私は私が大切だ。

お願い、分かってよ総悟…！！

よくドラマとかでも見るじゃん、女子の嫉妬がすごくていじめに発展しちゃうやつ！！

私水被りたくないなぁ…。

せめて外の水道水がいいな…トイレの水道水はちょっとなぁ…。






「アイス二本」




「やりましょう」




別にアイスに釣られた訳ではない。

私が特別機嫌がよかっただけだ。



私が承諾すると、総悟は口角を怪しげに上げた。

やっぱりこの子、被害者じゃない。

だって、困ってる様子微塵も感じられないんだもん！！！

そして、私と総悟による「バカップル日常」という茶番が始まったのであった。

先生２１→←先生１９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す