拗らせ王子と純情娘 ４２ ページ42
「本気です」
「…分かってるよ」
その先生の言葉にそっと手を離し顔を上げる。
「全部伝わってる」
…や、ばい。
柔らかい声音。
優しすぎる笑顔に胸が締め付けられる。
抱きしめたい衝動に駆られ、心臓を押さえつけながらゆっくり距離をとった。
「でも、あなたが卒業するまで答えは出せない」
「…え？そ、それって」
「私は教師でショッピくんは生徒。これは関係ないって言葉で片付けちゃダメだと思うの。だからちゃんと、しがらみとか全部なくなったら返事をしたい」
先生の中できっとたくさんの葛藤があったんだ。
それと向き合って、考えてくれて。
ちゃんと俺に答えを出してくれた。
「待ちます。早く大人になります」
「うん。私も頑張って待つね」
背の低い先生は俺を見上げて微笑んだ。
胸の奥がじんわりと熱くなっていく。
「ショッピくーん！衣装できたから隣の部屋来てー！」
廊下から女子生徒の声が聞こえた。
先生はその声を聞いて立ち去ろうとする。
しかし、気づいたら。
振り返り歩きだそうとした彼女の手を、思っきり掴んで自分の元へ引き寄せていた。
そのまま抱きしめてしまう。
「！？しょ、ショッピくん！？もう約束破ってるよ！？」
極力小声で慌てる先生にギュッと力を入れる。
「すいません、ちょっと嬉しすぎて爆発しそうやったんです。今だけ、ほんま今だけ許してください」
先生の小さい肩にグリグリと頭を埋める。
あかん、ほんま離したない。
死ぬほど幸せな気持ちが溢れる。
すると、そっと俺の背中に手が回された。
控えめにキュッとシャツが握られ、心臓がバクバクと急加速しだす。
「喜んでるテンションじゃないよその声」
「じゃあ顔見ます？めっちゃ赤いと思いますよ」
「見たい、見せて」
「見せるわけないやないですか」
クスクス笑い合って、お互いの体温を確かめるように更に力を込める。
「ショッピくんまだぁー？？」
そんな女子生徒の声でハッとなり、慌てて距離を離した。
見られる前に下を向いて先生をずいずい教室から追い出す。
「うぇ！？ショッピくん！？」
「衣装合わせ行ってきます」
「逃げ足はや！？」
自分も廊下に出て先生から背を向け走り出す。
しかしクスクスっと先生の笑い声が聞こえた。
きっと耳まで赤く染ったのを見られてしまったのだろう。
隣の教室の前で足を止めチラッと彼女を見る。
すると、優しく笑う姿がそこにはあったのだった。
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てきとーさん - チヨちゃぁん……チヨちゃんっ！幸せになってくれ… (2021年1月21日 7時) (
レス) id: 2e24d3a77d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みかげさん» わぁありがとうございます！！泣 チヨちゃん可愛いですよね！？(？) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 439e2c470d (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 完結おめでとうございます……！！shp君……君イケメンすぎん！？ってかチヨちゃんかわ……チーノさん羨まし(殴)めちゃめちゃおもろかったです！！ありがとうございました！ (2020年9月7日 17時) (レス) id: 946825ef56 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 粉みるく。さん» ちょっと見たいというコメを見たので、、、！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
粉みるく。(プロフ) - ば、番外編…w わーいチヨちゃんだぁぁぁぁ！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 091f5a802b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年5月20日 1時
