拗らせ王子と純情娘 ４１ ページ41
〜shp side〜
「はぁ…いや俺はやらんからな」
深いため息とともに役名と名前が羅列した黒板を睨みつける。
「でもあと俺らだけやで決まっとらんの」
わざわざ俺の席まで来て声をかけてきたのはチーノである。
文化祭。
俺にとって忌まわしいイベントの一つだ。
いい具合にサボってやり過ごそうと思っていたのに。
「寸劇ってなんやねん…」
「寝てた俺たちが悪いわ」
ロングホームルームで委員長進行の元、いつの間にか話はポンポン進んでいたらしい。
寝過ごした俺とチーノだけ寸劇の役は決まっておらず。
空いている候補としては「王子様」と「小人」である。
ちなみに寸劇は「白雪姫」だそうです。
「俺チーノよりチビやから小人やる」
「おぉー待て待て待て、嫌やで俺はやりたないで。いくら俺の容姿が王子様向きやからってやらんで」
「あ、チーノが王子役やりたいそうです」
「おいショッピ！！！！！」
言い合う俺らに委員長は半笑い。
もう裏方に回ったり役が決まった男子友達が俺らを煽り、もうジャンケンで決めろと言い出した。
「これは恨みっこなしやで」
「当たり前やん」
「じゃ行くで…」
「「ジャンケン」」
☕
「…あれ？ショッピくん一人？」
カラカラと教室のドアが開く。
床に座ってスマホをいじっていたが、すぐにしまって立ち上がった。
A先生だ。
机や椅子は全部後ろへどかしてしまったので、やけに広く見える教室にお互い突っ立って目を合わせる。
「なんか衣装作っとるからセリフ覚えとけって、放置されてます」
「っふふ、王子様役だもんね」
こうしてA先生と二人で話すのはいつぶりだろうか。
確か、俺が無理やり先生に生徒指導室を開けさせたあの日以来だ。
告白の返事をもらおうとした、あの日。
断られてしまったが、諦めないと真っ直ぐに伝えた。
その想いが伝わったのか分からないまま時が流れてしまった。
でも、松永と先生の会話を聞いて本当に心の底から嬉しくなった。
ハキハキと芯のある声で話すA先生がかっこよく思えた。
「先生」
「ん？」
「俺、先生のこと好きっす」
瞬間ブワッと顔を赤くする先生が愛おしくなる。
「ほんと、全部好きやなってめっちゃ思います」
「しょ、ショッピくん…」
そっと近づき先生の震える手を握る。
そのまま自分の額へと持っていき、目を瞑り熱を込める。
「…諦めるとか難しいことできませんでした」
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てきとーさん - チヨちゃぁん……チヨちゃんっ！幸せになってくれ… (2021年1月21日 7時) (
レス) id: 2e24d3a77d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みかげさん» わぁありがとうございます！！泣 チヨちゃん可愛いですよね！？(？) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 439e2c470d (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 完結おめでとうございます……！！shp君……君イケメンすぎん！？ってかチヨちゃんかわ……チーノさん羨まし(殴)めちゃめちゃおもろかったです！！ありがとうございました！ (2020年9月7日 17時) (レス) id: 946825ef56 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 粉みるく。さん» ちょっと見たいというコメを見たので、、、！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
粉みるく。(プロフ) - ば、番外編…w わーいチヨちゃんだぁぁぁぁ！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 091f5a802b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年5月20日 1時
