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拗らせ王子と純情娘 37 ページ37

振り向けばそこに立っていたのはチーノくんで。

いつも彼の隣にいるコネシマくんやシャオロンくんがいない。


「先輩たちは?」


「コネシマさんは後輩の女子にお呼ばれ。また告られるんとちゃうかな。シャオロンさんはその冷やかし」


「わぁモテモテさんだね…」


じゃあショッピくんは?

と言おうとして口を噤んだ。

名前を口に出すのも躊躇うなんて。

胸のモヤが取れず固まった私にチーノくんはコテンと首を傾げる。


「…?Aちゃんはここで何しとるん?」


「え?あ、あぁえっと、その…」


たじろいで目を泳がせると、チーノくんは子供らしい高い声で「フフッ」と笑う。


「ショッピくんのこと考えとったんやろ」


「え!?」


「先生はどう思っとるん?あいつのこと」


「え、えっと…」


仲が良いチーノくんだ、この様子なら何があったか知っているのだろう。


「ショッピは本気やで」


物凄い優しい声で言われ、ゆっくりと顔を持ち上げチーノくんと目を合わせる。

分厚いレンズのその先に覗く瞳の色は、明るい橙色に染まっている。

ヘロヘロのその場にしゃがみこみ頷く。


「っふふ、なんや」


涼しい風が肌や髪をやで、優しく私たちの間を通り抜ける。


「ちゃんと考えとるやないですか」


きっと、耳まで真っ赤に染った私の姿を見てそんなことを言ったのだろう。





〜ci side〜


「最悪やぁぁ、見てやショッピ」


水滴を前髪から机にポタポタと垂らし、座っているショッピにアピールした。

チラリと視線を窓へ移せば、激しい雨がガラスを叩いていた。

朝から豪雨だった。

ショッピと駅から学校までダッシュしたが、ショッピも自分と同じようにびしょびしょだ。


「しょ、ショッピくん!よかったらこれ使って!」


一人の女子がショッピにフェイスタオルを差し出してきた。

すると便乗して次々に女子が集まってきて。


「あったかいココア!あげる!」


「これでバッグ拭きな!貸すよ!」


「え俺は!?俺にはないの!?」


「チーノくんガタイいいから風邪ひかなそうじゃん」


「なわけあるかい!!」


ギャーギャー言い合う。

そんな光景を流しながらショッピは机に置かれたタオルに手をかざした。


「…ありがとう、使うわ」


…へ?


「「「「ええええぇぇぇ!!!!?」」」」


朗らかに笑った奴は俺たちの叫び声で、またいつもの仏頂面になる。


「お、おま、お前!今までそういうの断ってきたやん!!」


「あー…まぁ」

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てきとーさん - チヨちゃぁん……チヨちゃんっ!幸せになってくれ… (2021年1月21日 7時) (レス) id: 2e24d3a77d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みかげさん» わぁありがとうございます!!泣 チヨちゃん可愛いですよね!?(?) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 439e2c470d (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 完結おめでとうございます……!!shp君……君イケメンすぎん!?ってかチヨちゃんかわ……チーノさん羨まし(殴)めちゃめちゃおもろかったです!!ありがとうございました! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 946825ef56 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 粉みるく。さん» ちょっと見たいというコメを見たので、、、! (2020年7月13日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
粉みるく。(プロフ) - ば、番外編…w  わーいチヨちゃんだぁぁぁぁ! (2020年7月13日 23時) (レス) id: 091f5a802b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2020年5月20日 1時

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