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拗らせ王子と純情娘 30 ページ30

〜shp side〜


「A先生、どうして俺の事避けるんすか」


「ちょ、待って、なんで追いかけてくるの!」


「A先生が逃げるからじゃないっすか」


早歩きで会話しているのは、俺とA先生である。

最近、避けられている。

告白してから何も反応を見せてくれなかったA先生が、ようやく見せた動揺。

けど明らかに避けられるのはしんどい。

放課後、チーノがいつもの如く保健室に行き、そしてクラスメイトがいなくなった瞬間を狙った。

相談事があるからまた生徒指導室へ連れてってくれとお願いすれば、目を逸らし気まずそうに柔く断られた。

普段なら引き下がる俺だが、どうもその時A先生が嘘をついているように見えてしまい。

ササッと教室から逃げようとするA先生を追いかければ、何故か鬼ごっこが始まってしまったのだ。


「どこ行くんすか」


「か、会議!そう会議があるの!だから早く帰ろうねショッピくん!」


「そっち会議室じゃないっすよ」


「あぁあれ!部活見に行かなきゃ!いや〜顧問は大変だなぁ〜!」


「そっち部室じゃないっすよ」


痺れを切らした俺は急に速度を変え、前に歩いていたA先生の腕をガシッと掴んだ。

「ひぃ!」と声を出す先生。


「はぁ…なんで避けてるか理由教えてください」


ため息混じりに言えば彼女は肩を跳ねさせる。

しかし振り向いてくれることはなく、手から伝わってきたのは彼女が震えていること。


「わ、私…あの、…」


「松永になにか言われましたか」


「え!?」


予想的中、といったところだろうか。

あの忌まわしい女の名前を出せば露骨に反応したA先生。

ずっと見せてくれなかった顔が振り向き、どうして分かるの!?とでも言いたげな表情で固まっている。


「最近俺の周りうろちょろしとるんで聞いてみたんです、A先生のこと。そしたら俺とA先生の距離感バグってるだの、どーのこーの…」


どうせA先生に、俺との距離を見直せくらい言ったんだろう。


「俺が好きで近づいてるだけやのに何を勘違いしとんのやろあのバカ女」


あ、やべ。

つい本音がポロッと。

どうぞ後半の「バカ女」は聞かなかったことにしてクレメンス。


「まぁなんて言うんやろ。松永気にするんやったら、俺の事気にしてください」


真顔を貫きそう言えば、A先生の顔はみるみるうちに赤くなっていった。


「しょ、ショッピくんって変わってるね…」


「そうっすか?普通っすよ」

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てきとーさん - チヨちゃぁん……チヨちゃんっ!幸せになってくれ… (2021年1月21日 7時) (レス) id: 2e24d3a77d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みかげさん» わぁありがとうございます!!泣 チヨちゃん可愛いですよね!?(?) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 439e2c470d (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 完結おめでとうございます……!!shp君……君イケメンすぎん!?ってかチヨちゃんかわ……チーノさん羨まし(殴)めちゃめちゃおもろかったです!!ありがとうございました! (2020年9月7日 17時) (レス) id: 946825ef56 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 粉みるく。さん» ちょっと見たいというコメを見たので、、、! (2020年7月13日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
粉みるく。(プロフ) - ば、番外編…w  わーいチヨちゃんだぁぁぁぁ! (2020年7月13日 23時) (レス) id: 091f5a802b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2020年5月20日 1時

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