拗らせ王子と純情娘 １６ ページ16
今日も変わらず、彼女は優しい笑顔を振り撒き生徒に接していた。
予想はしていたが。
やはり社会人であり教師である彼女は、私情を持ち込むことはせず平然を装っていた。
けど、俺は、俺だけは分かる。
授業中ふと目が合えば、先生は少しだけ目の色を動揺に染めるのだ。
きっと昨日の事が関係しているに違いない。
そう、ずっとA先生のことを考えていた。
「よしっ、授業終わりの挨拶お願いします」
そんなA先生の声でハッとなる。
四時間目終了のチャイムが鳴り、生徒たちは一斉に立ち上がる。
委員長の挨拶が終わると各々昼を食べるために準備し始めた。
「ショッピ行くでー」
「悪いチーノ、ちょっと先行っとって」
「？わ、分かった」
俺の机に来てくれたチーノに断りを入れる。
さっさと教室を出ていった先生の後を追った。
「A先生」
「ん？あ、ショッピくん、どうしたの？」
職員室に行くまでの廊下で彼女は俺に反応し振り向いてくれた。
大きな瞳が俺を捉える。
その時。
彼女の亜麻色の髪がふわりと舞った。
体全体の力が抜けた様に倒れかける。
「先生！！！！」
反射的に腕が動き先生を抱きとめる。
腕の中の先生の顔色は真っ青で、一気に不安が押し寄せてきた。
「ご、ごめんなさい、ちょっとフラッときただけ」
「保健室行きましょ」
周りにいた生徒もザワザワとしだしたが、俺が先生の腕を肩に回し歩き出すと道を開けてくれた。
☕
「寝不足やね」
保健室の先生しんぺい神は、ベッドに寝かせたA先生から抜き取った体温計を見てそう言った。
寝不足、か。
「よう運んできてくれたな〜、ありがとう。あとは任せて」
「もうちょっとここに居ていいっすか」
「…ほう」
A先生が眠るベッドのそばを陣取る。
しんぺい先生は何が面白いのかニヤリと笑った。
「心配なんやね」
「そりゃ僕の担任ですから。目の前でぶっ倒れた時めっちゃ焦りました」
「保健室のドア開けた君の顔、凄かったもんなぁ〜」
「こんな顔してたで」と自分の目を指で釣り上げて笑うしんぺい先生。
ちょっとクスッと笑い、そのままA先生へと視線を移した。
よく見れば薄らと目の下にはクマがあって。
「…何を考えてるんすか」
そっと彼女の涙袋に触れる。
規則正しく大人しい寝息で少し安心したが、きっと何か考え込んで寝不足になったのではないかと。
昨日のことが原因なのではないかと。
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てきとーさん - チヨちゃぁん……チヨちゃんっ！幸せになってくれ… (2021年1月21日 7時) (
レス) id: 2e24d3a77d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みかげさん» わぁありがとうございます！！泣 チヨちゃん可愛いですよね！？(？) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 439e2c470d (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 完結おめでとうございます……！！shp君……君イケメンすぎん！？ってかチヨちゃんかわ……チーノさん羨まし(殴)めちゃめちゃおもろかったです！！ありがとうございました！ (2020年9月7日 17時) (レス) id: 946825ef56 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 粉みるく。さん» ちょっと見たいというコメを見たので、、、！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
粉みるく。(プロフ) - ば、番外編…w わーいチヨちゃんだぁぁぁぁ！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 091f5a802b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年5月20日 1時
