拗らせ王子と純情娘 １３ ページ13
「お、次は俺やな…どうした？」
教室に戻ると、チーノに顔を覗かれた。
考え込んでいたのが顔に出てしまっていたのか。
悟られないよういつものテンションで返事をする。
「いや。お前がA先生のこと口説かんかなーって」
「悪いなショッピ、俺にはチヨちゃんというマドンナがおるんで」
戯言を吐き手をヒラヒラ振ったチーノは出て行ってしまった。
…しっかりした大人。
そのワードは思春期の自分にはどうもしっくり来ない。
大人という定義は一体なんなんだ、という疑問から始まるからだ。
二十歳を超えたら？成人式を迎えたら？
煙草を吸えたり酒が飲めたりを、合法的に出来るようになったら？
じゃあ、しっかりとは何だろうか。
しっかりした大人、とは。
自分の席につき、しばらく考えてみたが全くでは無いが想像が出来なかった。
誰しもがその疑問にぶつかり、大人だと括られた人達でさえその答えを探している。
大人になっていない俺がその答えを見つけ出すには、もう少し時間が必要な気がした。
☕
雨だ。
放課後の教室。
チーノが保健室に遊びに行ってしまったので待っていると、突然雨が降り始めた。
マジか、傘持ってきてへんわ。
曇天の下走っていた運動部たちが、急いでピロティに駆け込む。
遠くの方に見える歩行者も雨が降り始めた途端に走り出す。
…まぁ、通り雨は確かに嫌やわな。
でもA先生は雨が好きだと言っていた。
あの居残りで受けた先生の力説は、本当に面白く価値観が変わるものだった。
雨も好きになれると、不思議とそう思えるくらいに。
「あ、ショッピくんだったんだ」
「え」
彼女のことを考えながら窓の外を見つめていると、突然後ろから声がした。
期待を胸に振り向けば、やはりそこには俺の想い人が立っていて。
「下の階からこの教室の電気がついてるのが見えたの。誰か待ってるの？」
「チーノっす」
「え。まさか保健室にいるとか言わないでしょうね」
「すげぇや先生、正解っすよ」
彼女は何故か机を整理しながら話しかけてくれている。
あー、そういや意外と几帳面やったな、A先生。
「もう…ダメだって言ったのになぁ」
呆れながらも笑っているので、そこまで厳しく注意出来ていないようだ。
まぁそういう所も好きな理由なんやけど。
「わ、すごい消しカス散らかってる」
そこ誰の席やったっけな。
先生は掃除用ロッカーから箒を出すと、サッサと掃除を始めた。
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てきとーさん - チヨちゃぁん……チヨちゃんっ！幸せになってくれ… (2021年1月21日 7時) (
レス) id: 2e24d3a77d (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - みかげさん» わぁありがとうございます！！泣 チヨちゃん可愛いですよね！？(？) (2020年9月7日 23時) (レス) id: 439e2c470d (このIDを非表示/違反報告)
みかげ(プロフ) - 完結おめでとうございます……！！shp君……君イケメンすぎん！？ってかチヨちゃんかわ……チーノさん羨まし(殴)めちゃめちゃおもろかったです！！ありがとうございました！ (2020年9月7日 17時) (レス) id: 946825ef56 (このIDを非表示/違反報告)
お茶(プロフ) - 粉みるく。さん» ちょっと見たいというコメを見たので、、、！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
粉みるく。(プロフ) - ば、番外編…w わーいチヨちゃんだぁぁぁぁ！ (2020年7月13日 23時) (レス) id: 091f5a802b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶
| 作成日時：2020年5月20日 1時
