ハッピーエンド9 ページ9
お、沖田さんの連絡先…。
家に帰り、ソファに座りながらスマホをじっと見つめていた。
_____後日、俺から連絡しまさァ
沖田さんの声が頭を横切り、さらに心拍数が上がる。
デートってなんだ…デートってなんなんだ…。
経験はあるはずなのに、まるで初めての様な感覚。
初々しい初恋の、感覚。
前の彼氏と付き合ってた頃、もうなくなったと思っていた気持ちだ。
その時。
着信音が鳴った。
びっくりしてスマホを落としそうになるが、何とかギュッと掴む。
でででで電話!?
知らない番号だ、きっとこれは
沖田さん…。
ゴクリと息を飲み、黄緑の受話器のマークを押した。
「は、はい…」
「Aさんですよねィ、沖田です」
機械音とリンクした沖田さんの声。
耳がくすぐったい。
いつもより低く聞こえ、なんだか変な感じだ。
「ホントは明日電話しようと考えてたんですが、早めに決めてぇなと思いやして」
一体どんな表情で言っているのだろう。
そして、どういうつもりでデートに誘っているのだろうか。
複雑な思いのまま、相槌をし話を繋げる。
「あの、本当に私でいいんですか…?聞けば真選組は滅多に休みがないらしいじゃないですか。貴重な非番を私となんかと一緒になんて…」
「友達と休日に遊びに行くのは疲れが取れるもんでしょう」
返ってきた返事があまりにも淡々としていて。
自信なさげに話した自分がバカバカしくなった。
沖田さんの意思でそう思ってくれたのなら、変な気を遣うのは失礼にあたる。
「行く場所は当日のお楽しみってことで。来週の日曜、大丈夫ですかィ」
「は、はい!空いてます!」
「分かりやした」
声が震える。
本当に、彼と二人っきりで出かけられるの…?
あまりにも突然だったので、まだ実は整理がついていない。
「じゃ、当日はAさんの家に迎えに行きやすね」
最後に、「おやすみなさい」とサッと言われ、電話は切れた。
おやすみなさい…。
この恋人っぽい会話は一体なんなんだ…!!!
というか、こんな想像してる私もなんなんだぁぁあ!!!!
一人でゴロゴロ転がりながら顔を赤らめる。
…決まってしまったデート。
久しぶりに、男の人と二人っきりで出かける。
「服、どうしよう」
しかも、好きな人と。
楽しみで、緊張してて、嬉しい。
浮かれながらカレンダーに「沖田さん」と記入し、既にワクワクしながら眠りについたのだった。
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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時