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ハッピーエンド6 ページ6

「あ、あの!」


団子を注文し、モキュモキュと食べる沖田さんに勇気を出して声をかけた。

「んー?」と団子を食べながら振り向き、咀嚼する。


「あの日から何度もお会いしようと行ったんですけど…どうしてここ最近いらっしゃらなかったんですか」


会いに行くたび、真選組の山崎さんが対応してくださって。

何度もいないと言われてしまった。

おかげで山崎さんと仲良くなってしまったじゃないか。

すると、沖田さんは団子を飲み込み、やけに冷たい目で私を見た。


「危ねぇ仕事、してたんでさァ」


危ない、仕事…。

ゴクッと息を飲んだ。

言われて気づく、彼の顔の傷。

頬に刀で切られたと思われる小さな切り傷が、痛々しく残されていた。


「えっと…」


「おっ、抹茶なんてやってるんですねィ、それもくだせェ」


「あ、は、はい」


コロッと話が変わってしまった。

注文された団子を取りに背を向ける。

危ない仕事…。

相変わらず、彼の纏った空気は不思議なものだ。

何か牽制しているような、一歩踏み込ませないような。


その時。


「ゴルァ!!こんなとこにいたのかてめぇ!!!」


「ゲッ、バレちまった」


怒声が響いた。

焦って振り向くと、そこには沖田さんと同じ対服を着た男の人が。

こ、怖い…!!

真っ黒な瞳、髪、そして高い背に鋭い目付き。

口には煙草を咥え、刀を片手に物凄い勢いで沖田さんに切りかかろうとしている。

あ、あれって…。


「土方さん、部下の休憩時間の邪魔しねぇでくだせェよ」


「はぁ!?てめぇさっきまで寝てたじゃねぇか!今は仕事の時間だ!!おら行くぞ!!」


ふ、副長の土方十四郎さんだ…。

実際に顔を見た事がなかったけど、あんな怖い人だったんだ。

鬼の副長と恐れられているだけある、迫力がすごい。


「あー、まったまったお勘定。ここに置いときやすねィ」


首根っこを土方さんに引っ張られながら、縁台にお金を置いてくれた彼。

ピッタリ置いていったお金を拾い、「ありがとうございました…」と呆気にとられながら頭を下げる。


やっぱり、彼は自由な人だ。

ふらっと風に吹かれ揺れる風船みたいに、気ままにゆらりゆらりと。

現れたかと思えばすぐ連れてかれちゃって。


「あらあら、何かいいことでもあった?」


「っふふ、いーえ!」


笑ってしまった私に、田中さんが首を傾げる。

面白い、沖田さん。

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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

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