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ハッピーエンド18 ページ18

そう田中さんに言われた途端、急に体調が悪くなった。

額に手をあてればものすごく熱くて。

熱…!?

頭がズキンズキンと痛み出す。

ぼーっとしてきたな…。


「Aさん、家に帰ってちょうだいな。また元気になったら頑張ってもらうから」


私が何か言う前に、田中さんがそう優しく言ってくれた。

彼女はなんでもお見通しなようだ。

このままここにいて、田中さんやお客さんに迷惑をかけるわけにもいかない。

私はお言葉に甘え、エプロンを畳んだ。

身支度をし出ようとすれば


「あ、じゃあ俺送りまーす」


と、銀さんが立ち上がる。


「あらあらそう?心配だったから丁度良かったわ、坂田さんお願い出来る?」


田中さんが目を半円に描きそんなことを言い出す。


「いいですよ大丈夫です!一人で帰れますから!」


「遠慮すんなってAちゃ〜ん、ほれ行くぞー」


手を無理やり握られる。

その手の大きさにドキッとしてしまった。

わぁぁぁ銀さんの手ってこんなに大きいんだ。

って、おいおい!ダメだよこのまま送ったもらうなんて!仮にもこの人お客さんなのに!

頭でそう葛藤していたのに、意識が朦朧としてきた中でその葛藤は薄れていく。


「うっし、道案内してな」


しんどい体を気遣ってゆっくり歩いてくれる彼。

手は暖かくて、何故か妙に安心してしまう自分がいる。

なんだかお兄ちゃんみたいだなぁ、銀さん。


けど。


こんな時にも思い出すのは沖田さんで。


家まで送って貰おうとしているのに、すごく銀さんには申し訳ないんだけど。

もし、この手が沖田さんの手だったらって。

面倒くさそうに、けど優しく手を引っ張ってくれるんだろうなぁなんて考えてしまう。

…会いたい。


「あれ、Aじゃねぇか」


その時、後ろから声がした。

私と銀さんが振り向くと、そこには土方さんと

沖田さんがいた。

彼の姿にドキッとする。

え、え、ホントに沖田さん?

ちょうど沖田さんのことを考えてたから、現実かどうか混乱している。


「俺もいるんだけどなー土方くーん。今こいつ具合悪ぃからいいかな」


「ちょっと待ってくだせェ」


銀さんがあしらう様に言い歩きだそうとすると、沖田さんが声を出した。

三日ぶりの、久しぶりに聴いた声。


「これから家に送るんですよねィ?俺知ってるんで任せてくだせェ」


そして。

彼は無理やり銀さんと私の手を引き剥がすと、私の腰と背中に手を回す。

そのまま軽々とお姫様抱っこされてしまった。

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お茶(プロフ) - アクヤさん» 素敵なコメントありがとうございます!頑張ります泣 (2019年11月9日 20時) (レス) id: 7f31983ff2 (このIDを非表示/違反報告)
アクヤ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 64d635022a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:お茶 | 作成日時:2019年9月1日 1時

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