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午前1時、
千鳥がバイクを止めた場所は裏の者が集まるバー
顔で通してもらい個室に向かう
「お疲れさんやなぁ千鳥。」
「彪!久しぶりだな!」
グラスに入った氷を鳴らしている彪の向かい側に座る
自分が来るまでに何杯呑んだのだろうか
酔ったところは見たことがないが
彪は千鳥の兄のような存在
辛い運命から助け出してくれた存在だった
「買ってきたで、じっくり説明せなアカンわ。」
「…藜にいくら払ったんだ?」
彪が用意していたのは優秀な情報屋からの情報
優秀ではあるが相当な金好きの為に莫大な報酬金が要求される
彪が指で表したその数に千鳥は顔を引き攣らせた
彪が得た情報は二つ
今起こっている事態と昨夜の怪奇現象について
目付きが変わった彪を見て千鳥は生唾を飲み込んだ
「まず、俺らが知らん世界についてや。」
獅が語った4人の王の器と国
全ての原因である神の分裂について
神は零と呼ばれているらしい
どうやら分裂は少しずつ行われていたらしく最近になってしっかりと分かれてしまったようだった
もう一つの神が弌である
地震やら災害が増えていたのは一つが二つになりバランスが整っていない為だったのだ
そして昨夜の怪奇現象
誰もが驚いた予期せぬ流星群
たちまちニュースで取り上げられたが不思議な事に何一つとして映像や写真には残っておらず人々の目撃情報だけが世間を駆け巡った
しかし、同じく孤児院でその現象を見たフゥリが青い顔をしていたのを千鳥は知っている
「千鳥の予想通りやったわ。あの時、王と力を持つもんだけがお告げを聞いたんやと。」
「じゃあ昨日から見てないゼオとフィオラ…アイツらも……」
「いいか、落ち着いて聞いてくれ千鳥。黙っとるフゥリだけに背負わせちゃいかん。今から言う事を信用できる人間に話せ、そんで助けてもらえ。」
ゆっくりと頷いた弟分を見て彪は告げる
「俺らの大嫌いな戦争が、また始まるんや。」
戦争の主犯となるのは謎に包まれた人物
珀龍神と黒龍神と呼ばれる者
どこから現れたのか、何を考えているかは分からない
ただ分かることは、神の座を奪われた場合この世界は終わりを迎える
野望を持った神など存在しない、できないのだ
「…俺達は何もできねぇな…」
「信じることができるんや、幸せが何よりってし知っとるやろ。」
戦争の恐怖を誰よりも知る二人は何故か幼げに笑っていた
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作者名:灰猫 | 作成日時:2016年12月7日 5時