検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:2,591 hit

22 ページ23

フゥリと話を終えた実は早速亞琉斗を探しに足を動かしていた

貴重なオフの日をあんな男に費やすなんて思ってもみなかったがフゥリの期待は裏切れない
話を聞きながら常に誰かを思っているフゥリを綺麗だなぁとぼんやり思っていた


実が芸能世界に生きているのは金を稼ぐ為
夢がないと言われるかもしれないが、たった一人である兄の医療費の為だった

兄が元気だった頃はデザイナーとして活躍する兄の試作品を誰よりも早く着せてくれた

実は兄の服を着ている時が一番映えたのだった


キャスケットを深く被り直し目立たないように目立たないように、大通りを歩いた

しかし


「きゃっ!?」

突然後ろから手首を捕まれ悲鳴を上げる

まさかもう変装がバレてしまったのかと思いつつサングラス越しに後ろを振り返った


「あ、やっぱりみのりんだ!」


周りに聞こえないよう配慮したのか小声の少年
金髪の髪には可愛らしい星型のピン留めがしてありそれは見知った顔だった

「な、なんだ、巽くんか…」


安堵した実は胸を撫で下ろす

彼は芸能仲間の一人であり友人の声の役者、つまり声優
実ほどではないがファンは多い

要は知っている人は知っているので素顔丸出しの彼をある意味尊敬する


「一人で何してるの?遊んでるわけじゃなさそうだけど」

「ちょっと人探しをね」

「人…?」


いつの間にか横に並んで歩く巽

声を掛け尚且つついてくるということは彼も今日はオフなんだろう

彼には酷い幼馴染がいると話したことがある
詳細を伝えると巽は不思議そうな顔をした


「どうして助けるの?そんなやつ」


信号が青になるのを待ちながら実は答えた


「亞琉斗には誰かが必要なのよ」



「実さん」

ふと、また後ろから声が聞こえる

「秀夜くん?」

声を主を見た実は笑顔だが隣で巽が心底驚く
それなりに顔の整った人間を見てきたつもりだが

「と、友達?芸能人、じゃないよね」

見上げる巽に秀夜は軽く会釈する

あまりに端正だとこの世のものでないのかさえ思ってしまう
しかし大きな頬の傷が秀夜を現実のものだと引き止めているようだった


「亞琉斗さんのことでお話が」

その言葉に実はハッとする


「居場所分かるの?」

「いえ、でも心当たりがあります」


会話を進める二人に嫌な予感がする


「じゃあそういうことで、またね巽くん」

「えー!ちょっとみのりん!」


案の定、実は秀夜と行ってしまった
せっかく会えた友達を取られ巽は頬を膨らませた

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:創作 , オリキャラ   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:灰猫 | 作成日時:2016年12月7日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。