ケータ君の双子の妹は非凡でした。

笑っているお顔は… ページ9

「着きましたよ。」


『ありがとう、犬神さん。』


学校に着くと時計は8時を指していた。
校庭で遊んでいる子供たちの声が
こだましている。


「A、私はあなたの近くにいます。
何かあった時には
遠慮なく声をかけて下さいね？」


『うん！…じゃあ、教室に行こうか。』


「分かりました、ご一緒します。」


うやうやしく礼をした後
犬神はフッと目を細めた。


しばらく歩いていくと
Aの教室に着いた。


『みんな、おはよう！』


「おぉAちゃん、おはよ」


「Aちゃん、おはよ〜う」


「オッス、A！ケータはまだか？」


Aは男女問わず好かれているようで
彼女の席の周りはもう既に
囲まれているようだった。


「Aちゃん、おはよう！
ケータ君はどうしたの？」


『フミちゃん、おはよう
…お兄ちゃんは寝坊したみたいだね。』


「ふふっ、何だかケータ君らしいね！」


『うん、そうだね！』


友達と仲良く話すAを
犬神は微笑みながら眺めていた。


「Aが楽しそうで何よりです。
そしてま笑っているお顔は
この上なく愛らしいですね。」

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