ケータ君の双子の妹は非凡でした。

おおもり神社で ページ4

歩いてしばらくすると
何十段もの階段と
深緑の木々が見えてきた。


Aからすれば
この光景は見慣れたものだ。


しかし、何度見ても
おおもり山は素敵だと彼女は思っていた。


『やっぱり今日も暑いなぁ…』


夏真っ盛りの今
太陽がギラギラと照り付けている。


そんな中Aは
颯爽と階段を登って行った。


『はぁ、はぁ…やっと着いた！』


颯爽と登っていたのだが、
やはり辿り着いた時には
呼吸が荒くなっていた。


「おぉ、Aちゃん…
今日もご苦労な事じゃなあ！」


『おはようございます、住職さん。』


Aが息を整えていると、
おおもり神社の住職が
にっこりと笑って言った。


---チャリン、ガランガラン


『………』


彼女は、お賽銭を入れ
目をつむってお祈りをした。


「Aちゃんや…
お前さんは良い子じゃから
これをあげようと思う。」


お祈りを終えた後、
Aは住職から繊細な模様が
描かれた綺麗なコインを貰った。


『わぁ…綺麗…』


「さぁ、このコインでご神木前の
ガチャガチャを回してきなさい。」


『え？あの、入ってもいいんですか？』


「もちろんじゃ…
いいものが出るといいのぉ。」


『ありがとうございます！
…回してきますね。』


駆けていくAを見て、
住職はポツリと呟いた。


「あの子は…
他の子とは違うものを持っておる。
もしかすると、あやつがあの子を選ぶかのぉ」

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