少女が男嫌いになった理由。ちはやふる

二首目 ページ4

来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ_____。
　
「にっ二年のい、いいい稲葉天之ですよろしくお願いしますっっっ！！！」
だっ、男子ばっかりです…！！こんな狭い教室に！！
僕は震える手を必死に抑えた。
今は５月。もう一年生も入ってる…んだけど、一人しかいない。
名前は甘糟くんが教えてくました。木梨くんと言うらしいです。すごく細くて、ヒョロヒョロ、という表現の方が似合います。
「稲葉くんはかるた経験もあるそうです。じゃあ早速練習に入ってもらおうかな！」
顧問の持田先生がにこやかに紹介してくれる。ただ、隣にいるから緊張します…！！
そそくさとみんなの前から立ち去って、甘糟くんの後ろに座ります。なんだかんだ言って、クラスも一緒だし、一番話しやすい人ですもの。
でも、座ってすぐ、背の高い人影が僕に射しました。
「俺が部長の須藤暁人。まずお前はヒョロとやってもらうからな」
「はっ、はい…」
この人怖い……！オーラが他の人と全然違います…！
「俺はこいつの実力を見るため一試合目はやらねーからな」
『ハイッ!!』
部全体がこの人に忠誠を誓ってる、って感じです…すごいなぁ…
「先輩だからっておれ手加減しませんからね！！」
フフンと胸を反らす木梨くん。…では、一回その自信をペチャンコにしましょうか…
「「よろしくお願いします」」
久しぶりのかるたです。ウォーミングアップにしましょう。

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