彼の決意の先には… ページ10
尋ね人を見つける為と言っていたのに、Aの決意が書かれたこのノートにはそれを後回しにしてでも、僕らの為に調査するという意思が感じられた。あんなお気楽で能天気な笑顔で、心の中ではこんな覚悟で日本に向かおうとしていた…その真実を知って、僕は早くママにそれを伝えたいと思った。Aはこれほど強い覚悟を持って、あの提案をしたんだとママに教えたかった。確証はないかもしれない。でも、それでもAは僕らの道を切り開こうとしてくれていた。このノートを見せて、その覚悟をママに知ってもらいたかった。
そして、他にも…
世「秀兄の事まで…なんで今更調べようと思ったんだ…しかも、彼と秀兄が接触していたなんて…」
ノートに書かれた秀兄の件…何故今さらAがこんな事を調べようとしているのか分からなかった。ノートにはまるで秀兄が生きているかの様に書かれていた。その件も含めて、ママに伝えたかった。秀兄の事はママの方が詳細に知らせを受けていたはずだから。
Aは一体どんな情報を得て、たった1人で何を調べようとして…
「やっぱりすぐには帰らなかったな」
世「！ キティさん…もう話は終わったのか？」
突然背後から聞こえたキティさんの声に驚きつつも、その場にいる彼に不信感を覚え、怪訝な顔を浮かべる。
世「執刀医と話があるって言ってたのになんでもうここに居るんだよ。まさか5分足らずで話が終わったなんて言わないよな？」
「ははは。そう警戒するな。大人が余計な世話を焼いただけのことだ。」
世「はぁ？」
意図が読み取れず、首を傾げているとキティさんは溜息を吐く。
「Aはああ言ってたのに、お前が相棒になった覚えはないなんて言うからAが気の毒になってしまって。つい、お節介を焼いてしまったんだよ。」
お節介？…それがなんで僕にペンダントを託してAと接触させる事に繋がるのか分からなかった。でも、それ以上に僕には気になる事があった。
世「Aが……何を言ってたんだ？」
相棒になった覚えはない…僕がそう言ったのに対して、Aはキティさんに何と言っていたんだろう…。僕の好奇心は『キティさんの行動の意図』よりも『Aの言葉』に向けられた。
「空港に向かっている途中の車内で、Aとお前の関係性について話してる時に…」
世(何故そんな話題が出てきたんだ…)
素朴な疑問が浮かんだが、僕は静かにキティさんの話に耳を傾ける。
………
……
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ヒロ(プロフ) - 続きが滅茶苦茶気になります。更新楽しみに待ってます (2020年4月27日 18時) (
レス) id: 0b6c256cc4 (このIDを非表示/違反報告)
vile - 真純が日本へ発つ覚悟を決めた！原作知識で２人で来日するのは分かってますが、サイドストーリー的な感じで、続きがメチャメチャ気になります!!更新を楽しみにしてます♪ (2018年6月23日 13時) (携帯から) (レス) id: 66be3b6d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢代ゆうま | 作成日時：2018年4月27日 3時
