頼まれ事 ページ8
「おぅ…すまない。…ッと！？確かに思ったより重いな」
リュックを受け取るとキティさんは慌てて腕に力を込める。僅かによろめいていたので、やはり男のキティさんでも結構重かったみたいだ。
世「あまりに重いから、中を確かめたらアルバムが入ってんだよ」
「それでこの重さか…」
世「全く…日本にいた頃のアルバム持ち出してくるとか…女々しい奴。」
「女々しいかどうかはともかく、他に何か入っていたのか？アルバムだけとは思えないんだが…」
世「…うん、着替えとか貴重品とか、買ったばかりのデジカメなんかも入ってた。」
「デジカメには何か入っていたか？」
妙な質問をしてくるキティさんに違和感を覚え、僕は眉をひそめる。
世「…そんなに気になるなら自分で確かめればいいだろ？」
だが、キティさんは首を左右に振る。そして、眠るAに視線を向け、ガラスに手をかけた。
「あいつに言われたんだ。俺にはこのリュックの中身は見せられないってな。そう言われちゃ、黙って見たら申し訳ないじゃないか。」
何か意味があると踏んで、律儀にAの言葉を守るキティさんを見て、真面目すぎだなと思い、僕は静かに笑った。
世「ははは…さすが、見た目の割に日本人らしさがあるね。」
「いきなり見た目と日系人いじりはやめてくれ。」
見るからにヨーロッパ系の顔なのに、キティさんは血筋で言えば立派な日系人だ。そのことをいじるとキティさんは額を抑えて肩を落とした。
どうやら思いのほか気にしていたみたいだ。
世「まぁ、律儀なのはいい事なんじゃない？そんなキティさんの性格を見込んで後は任せるよ」
「…もう帰るのか？」
世「休めって言ったのはキティさんだろ？それに、ママに報告しなきゃいけないし…」
「あ、ちょっと待ってくれ！その前に頼まれてくれないか？」
Aの容体は安定しているので安心して帰ろうとしたら、肩を落としていたキティさんが少々慌てて僕を引き止めた。
世「何を？」
「このペンダントをAのそばにおいてほしい。俺は今から執刀医と治療方針などの説明を受けなきゃ行けないんだ。」
世「それが終わってからでもいいじゃないか。もっと言えば、Aが目を覚ましてからでも」
「意識が無くても、目が覚めた時に家族の形見がそばにあると安心するだろ？もしかしたら、俺が戻る前に目を覚ますかもしれないし、頼まれてくれよ。リュックは重いから後で俺がAの家に届けておくから。」
世「……」
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ヒロ(プロフ) - 続きが滅茶苦茶気になります。更新楽しみに待ってます (2020年4月27日 18時) (
レス) id: 0b6c256cc4 (このIDを非表示/違反報告)
vile - 真純が日本へ発つ覚悟を決めた！原作知識で２人で来日するのは分かってますが、サイドストーリー的な感じで、続きがメチャメチャ気になります!!更新を楽しみにしてます♪ (2018年6月23日 13時) (携帯から) (レス) id: 66be3b6d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢代ゆうま | 作成日時：2018年4月27日 3時
